ようし (洋紙)
和紙に対していう。
外国において出版された図書類。
ようそうぼん、ようせいほん (洋装本、洋製本)
和本・和装本に対する言葉。14世紀、ヨーロッパで現在のような本、帳簿、伝票等のスタイルが完成した。わが国にヨーロッパの製本方法が伝わり、ヨーロッパ式の製本が行われるようになったのは明治6年(1873年)。W・Fパターソンが日本人に製本罫引(けいびき)術を教えたのに始まる。ちなみにこの年に横浜生糸会社が開業し、第一国立銀行が設立されている。毛筆で記帳する大福帳にかわって、欧米式の今日のような会計帳簿が必要になっていたのだろう。「洋書」「洋本」「洋紙」等の言葉は、いずれも同じ事情からはじまった言葉。伝統的なものを「和」で意味し、伝統に対する「新」、和に対する「洋」を強調している。現代においては「和・・・・・」が残り、「洋・・・・・・」はほとんど言われなくなっている。
ようちょう (洋丁)
洋数字のノンブル。和丁に対していう。
羊・山羊・仔牛などの革から作ったシート。紀元前200年頃から地中海・小アジア地方を中心に紙の代わりとして使われた。「パーチメント」という羊皮紙は今日の紙とはくらべようもないほどに分厚いゴワゴワする手触りである。「ベラム」は表皮をそのままつけた強靱なもので表紙に使われる。羊皮紙に似せた硫酸紙・擬硫酸紙などが現在つくられている。
ようほん (洋本)
→洋書
よこ (横) cross direction
(1)タテ(縦)に対していう。(2)紙については、抄紙の際の繊維の流れに直角をなす方向をいう。紙は普通ヨコはタテに対比して伸縮が大きく、強度が低いけれども、手漉(す)き紙では、その差がほとんどない。→タテ
よこあて (横当て)
→突き揃え
よこおび (横帯)
「帯」「腰帯」のこと。
よこさんぽうけしょう (横三方化粧)
最大寸法を目的とした化粧断ちの方法。
よこさんぽうけしょうにどだち (横三方化粧二度断ち)
化粧断ちの方法の一つ。寸法統一、菱形修正、紙粉除去を目的とする。
よこつきあてさんぽうけしょう (横突き当て三方化粧)
化粧断ちの方法の一つ。寸法統一、菱形修正を目的とする。
よことじ (横とじ) side stich/side sew
横に長い本(長帳型)のときに行う綴じ。
よこなが、よこながのほん(横長、横長の本)
丁合機の紙積みボックス、バインダーのクランプ、中とじ機の鞍掛け走行チェーン下の高さ等、横長の本をかけるさいは、紙が下にたれるので特殊な対策を機械にほどこしている。三方断裁機も横長の本は天地・小口が普通の本と異なるためナイフの位置がちがってくる。
よこのりそうち (横糊装置) side gluing/edge gluing
無線とじ機の本の中身 両側のノドの部分に糊付けする装置。クランプにはさまれた丁合本が移動していく間に、2個の糊付け用ディスクで両側から糊が塗布される。糊の付け初めと終わりは、カムにより糊切りできるようになっている。
よこばり (横針) side gauge
紙の横の位置を決めるための横当てのこと。突き揃えの際に前当て・横当てはとくに大切である。→突き揃え
(かみの)よこめ((紙の)横目) short grain
抄紙機の進行方向である紙の流れに対して直角の方向。「横目」である。これに対して平行な方向を「縦」という。紙の繊維の流れ方向でもある。横方向は縦方向より伸縮が大きく、強度的に弱い。→(紙の)縦目
よしのがみ (吉野紙)
和紙の一種。もと大和国吉野郡丹生郷(今の奈良県)から産出したので、この名がある。楮(こうぞ)の皮から製し、極めて薄く漉き、色白く柔らかい上品な紙なので、「やわら紙」ともいう。江戸時代から貴重品包装用や小間物包装用に、また、漆(うるし)の濾過(ろか)にも用いたので、「漆漉(うるしこし)」ともいった。
よちょう (余丁) overruns
→余り丁
よつおり (四つ折り) quarto
刷り本を2度直角に折り、小口4枚・8ページになる。
和本の綴じ方の代表的なもので、本を綴じるときに四穴をあけて、これにとじ糸を通すのでこの名がある。単に「四つ目」ともいう。「明朝綴じ」も四つ目綴じと同じである。
よつめやまと (四つ目大和)
「大和綴じ」の一つ。→大和とじ
よはく (余白) inside margin/outside margin
印刷された部分の周囲 上下左右の余白部分のこと。「空き」ともいう。上部の余白を「天」、下部の余白を「地」または「罫下(けした)」という。製本で綴じられる側を「のど」、その反対側を「前小口」という。
よびし (予備紙)
印刷、製本作業中に汚損を見込んで用意する予備の紙。
よみあげ、よみさげ (読み上げ、読み下げ)
背文字を欧文で入れるとき、下から上へ読むように入れること。「読み下げ」はこの逆。→読み下げ、けした
製本における背文字の入れ方の一種。読み上げに対していう。
よみだし (読み出し)
→読み分け
指定枚数ずつ紙の枚数を読み区別する。
グラビア輪転でも、オフ輪の場合と同様、折丁の中芯折りを抜き取り、2丁分けしなければならないような印刷・輪転折りがつくられる。適切な印刷機が空いていない等の事情により、2面掛け印刷したためである。2丁分けの作業を「より分け」とよんでいる。