紙加工・製本・印刷・DTPデザイン/編集・オンデマンド印刷@浅草永住町

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ほい (補遺) addendum

本文の印刷後、発見した誤りや書きもらしを追録して巻末に付け加えたもの。

ポイント point

文字の大きさを示す。現在日本では、JIS規格でアメリカ式ポイントが決められている。1ポイントは0.3514mm(1インチの約1/72)。

ポイントしきかつじ (ポイント式活字) point type

大きさの単位をポイントとする活字で、号数活字と系列を異にする。号数活字は倍数関係が明瞭でないが、ポイントは約72分の1インチで呼び名が大きさをあらわすから、ポイントは使用に便利である。

ぼうぐみ/ぼうゲラ (棒組み/棒ゲラ) in slip

文字組み・入力の字詰め・行間を一定に設定して、組み込みや見出し等、ページアップを考えずに、ゲラ出しまでする。割り付けが間にあわない、校正で大量の直しが予想される場合などに行う。

ほうしょ (奉書)

上(かみ)に奉る文書や、上意を奉じて下に下知する文書。とくに武家政治時代に将軍の命をうけて執事・奉行・老中から下した文書(下知状・げちじょう)などから転じて、それらを書く時に使う「奉書紙」の略称となった。現在では大奉書、中奉書、小奉書が用途によって使い分けられている。また奉書に色をつけた「色奉書」を装丁に応用することもある。

ほうじょうおり (法帖折り)

「経本折り」と同じ。→経本折り

ぼうず (坊主)

(1)売り上げカード(order slip)のこと。(2)帳簿製本。本文100以下の薄物には、普通バンドを付けない。これを「坊主」と言う。(3)和本の下綴じ。綴じ糸が切れても本が壊れないように鯨のヒゲや藤の丸棒を1本ずつ、2箇所に通す。これが「坊主」。

製本所が行う包装は、印刷所・出版社・取次店等に納品するための包装であり、包装のまま倉庫に保管される場合と解梱して配送用に包装し直す場合がある。注文主が包装形態についても指定していることが多い。完全包装(キャラメル包装)、帯かけ包装、段ボール等箱詰め、袋詰め、フィルム包装等々、包装の仕方はいろいろある。また包装される個数(冊数)、積み方、切り違えか一方積みか等々についても指示があり、さらに内容物について表示することも求められる。製本所では包装の機械化がこのような事情で遅れていたが、徐々に機械導入するところが増えている。→結束帯掛け
メーカー 西華産業(株)、(株)自動機械製作所、日本包装機械(株)

ほうそうし (包装紙) packing paper

本や物品を包む紙の総称。耐紙・耐薬品・防錆・防湿・防水性などの特性を要求されるので、種類が多い。製本では、多くクラフト紙が用いられる。

ぼうちゅう (傍注)

「注」の一つ。

ほうちょう (包丁) knife

(断裁)包丁のこと。断裁刃、断裁ナイフが今の言い方。

ほうちょうけんまき (包丁研磨機) knife grinder

断裁刃を研磨する機械。包丁が固定して砥石が往復運動するものと砥石が固定して包丁が往復運動するものがある。包丁研磨業者が設備し、製本所の断裁包丁をあずかって研磨し配達する。

ほうちょうけんまかくど (包丁研磨角度)

紙が厚く堅いものほど鈍角に、薄く柔らかいものほど鋭角に研磨するのが原則である。(1)薄葉紙・カーボン紙・複写紙・インディア紙などは、17゜~18゜に、(2)一般印刷紙・吸取紙・軽い厚紙などは、20゜~23゜に、(3)堅い写真用紙・板紙類は、25゜~26゜に研磨するとよい。

ほうちょうめいれ (包丁目入れ) scratching

ペラ物などの製本に際し、背をそろえて締め取った後、包丁などを用いてすじ目をつけてノリ引きを行い、背を固めること。

ぼうづみ (棒積み)

刷本や折丁、本などを同一方向に積み上げることをいう。「一方積み」ともいう。

ほおずみ(朴炭)

金版などの版材の表面を研磨して粗粒面を出し、感光液がよく付着するようにする。

ボール board

「板紙」のこと。→板紙

ボールカッター board cutting machine

ボール断ち機。板紙を断裁する。大断ち用と小断ち用があり、兼用機もある。

ボールづけ (ボール付)

厚表紙をつくるとき芯となるボールをクロス等に貼ること。

ホーレン burnisher

牛骨製の「つやベラ」。幅30mm、長さ180mm、厚み3mmくらい。本の小口金・小口染をする場合に、ツヤを出して表面を滑らかにするのに使う。

表紙裏にポケット状の袋をつけて付録になる印刷物等を挟み込む。手帳等を使うユーザーがメモや名刺をはさむビジネスシーンに便利なようにポケットを貼る。1枚物の地図の表紙(ケース)、手帳の表紙裏、雑誌書籍、見本帳等にポケットが付けられているものがある。

ポケットばん (ポケット判) pocket book/pocket editon

携帯に便利な小型の本のこと。特定の寸法が規定として決まっているわけではない。新書判、文庫本、ミニ本等がある。

ほきょうしょち (補強処置) reinforcing

図書の構造上の弱くなった部分を強化する処置。例えば、表紙の継ぎ部分に、クロス片を貼りつけて強度を増すなど。

ほさつ (補刷)

(1)印刷が終了した時点で脱落または色調の再現ミスなどを発見した場合に、その印刷に刷り加えること。(2)落丁に気づいたが余丁がないため、追加印刷すること。

ポジ posi

ポジティブ。ネガを反転したもので写真の陽画。箔押では位置指定等で印刷物に合わせるためのトンボが入ったフィルム。オフセット印刷用刷版に主に使用される。

ほしょくいんさつ (補色印刷)

カラー印刷の効果を上げるために、4基準色以外に別版をつくり、淡青、淡赤などを加えて刷る。この色を補色という。

ほじょだい (補助台)

作業台が不足したとき、その補充として用意する作業台。→継ぎ台

ポス(システム) (POS(システム)) point-of-sales-system

店舗内のコンピューターと電子式自動読み取りレジスターをつないで、販売時点・単品ごとに販売情報を収集・蓄積し、分析するシステム。コンビニ(コンビニエンスストアーCVS)の店頭にも本が並ぶようになり、雑誌・文庫本等にもPOS対応のバーコードが印刷されるようになっている。配送伝票にも採用されている。

ポスター poster

広告または宣伝のためのビラや貼り札、大型のビラ。わが国で行われているポスターの標準寸法は、次の四種である。B全紙、A全紙、B半裁、B4裁。

ポストスクリプト Post Script

アドビシステム社が開発したコンピューターのページ記述言語。ポストスクリプトで書かれた書類を印刷するには、ポストスクリプトを理解するプリンター(PSプリンター)が必要になる。これまでのプリンターが多数の「点」で文字や線を表すのに対し、PSプリンターは「線」で表すため、滑らかな出力ができる。

ほそかわがみ (細川紙)

和紙の一種。主として帳簿などに用いる大判の楮(こうぞ)紙。埼玉県小川町産が多い。

ぼたんばけ (牡丹刷毛)

帳簿などの背にニカワを塗るときに使う玉バケ。

ボックス jogging board

丁合機の紙(刷本)のせ台。「丁合ボックス」「丁合台」「丁合駒」等の言い方もする。

ボックススパナ box spanner

丁型レンチ。機械調整に使う工具。ただ「ボックス」とも言うようである。

目打ち、切り取りミシンの穴明け等、小さな穴をあけるのが「ポッチング」。カタカナで書くが、英語には関係なさそう。作業に伴う語感どおりの表現である。

ホットエンボス、ホットエンボッシング hot emboss/hot embossing

加熱して行うエンボス加工。エンボス加工と箔押しを同時に行う。

ホット スタンピング hot stamping

箔押しのこと。

ホットタイプ hottype

活版は鋳造とういう熱処理を必要とする。写植方式(コールドタイプ)に対してホットタイプという。

昭和40年代から製本用として使用されている。接着スピードが非常に早いところから、雑誌・書籍等の無線とじ・アジロとじ、平とじ表紙くるみの高速化を進めてきた。
ホットメルトの接着システムの概念は次の通り。プレメルターであらかじめ低温溶解したホットメルト接着剤を糊タンク(アプリケーター)に供給し、適正な溶解(180℃で200℃を越すと劣化が始まり、接着力は低下する)温度に調整された状態で糊ローラーにより丁合本の背に押しつけられる。糊ローラーによりホットメルトが背に塗布され、丁合本の背に浸透して背固めしながら、ホットメルトの表層ではなお接着力を保っている間(オープンタイムという)に表紙は背に押しつけられ、そのあとプレス装置で表紙くるみを確実にする。ホットメルトは普通は1層だけ塗布されるが、2層(糊ローラー・糊タンクが2ステーションある)塗布するツーショットを行い、製本強度をあげるものもある。また、寒冷紗装置を付設して背に寒冷紗貼りも行い、そのあと表紙くるみして背のしっかりした無線とじをする製本所もある。 メーカー 旭化学合成(株)、石塚産業(株)、(株)コニシ、東京インキ(株)、東洋ペトロライト(株)、新田ゼラチン(株)、日東工業(株)、日本エヌエスシー(株)、ヒロダイン(株)、松本久夫商店(株)

購買する時点をねらって、消費者に買わせるように仕向けるための宣伝広告。シーリング(ハンガー)ディスプレイ、カウンターディスプレイ、ウォールディスプレイ、ウィンドーディスプレイ、フロアディスプレイなどがある。ディスプレイの素材には厚紙印刷・打ち抜きによる紙加工品が多用される。

主鎖中にウレタン結合をもつ重合体の総称。合成樹脂、合成ゴム、合成繊維、接着剤、塗料等に用いる。ポリウレタンを製本用接着剤に使う無線とじ・上製本下固めが発表され、PUR製本と言っている。プリウレタンによる下固めは、エマルジョンやゴム系接着剤を用いた場合に等しい見開きの良さと強靱さが得られる。接着剤の使い勝手に難点があるようで、普及はこんごの課題とされる。

ポリエチレン polyethlene

もっとも生産量が多い合成樹脂。エチレンを重合されてつくる。熱可塑性で軽く、安価で耐薬品性が強く、加工しやすい。また電気絶縁性がよい。軟化しやすく、可燃性であるのが欠点。フィルムを包装で使っている。

ホルソート・カード

周囲に小穴をあけて用いる厚手の整理カード。ハンドソート・カードと同じ。

ボロ (襤褸) rags

織布その他布製品の裁ち落とし、または古い布切れ、箔拭きや機械類の清掃に使用する。

ホロウカット

かぶり、にげが同時に発生した断裁のトラブル現象。紙積みの切り口は上層・下層が長めにカットされた状態。ホロウカットの発生しやすい紙質は薄模造、TLP、トレシング紙等。これらの紙質の特徴は、軟質、硬質いずれの性質もかねそなえている。紙さばき・エア抜きを十分に行い、紙質に適したナイフを選んで、刃角度、クランプ圧等に注意して断裁する。

ホローバック hollow back

タイトバックフレキシブルバック表紙くるみ

書籍・書物などの総称。人の知能を啓発するため、あるいは娯楽のための著作物を印刷して製本し、刊行されたもの。単行本・全集本・定期刊行物・冊子などの種別がある。

糸かがり方の原則的な綴じ方。一と折りずつを入念に綴じ穴をぬってかがる方法。テープを入れたり、コードをかがりつけたりすれば、一層丈夫な糸かがりができ、製本の背とじをよくする。→本とじ

ほんがけ sheetwise

表面と裏面をちがう刷版にしてそれぞれの面を印刷する。→全紙掛け

ほんがた (本型)

縦長の本。小口寸法が天地の寸法より短い。横長(帳型)の本は少なく、普通「本」といえば縦長をイメージする。→帳型

ほんきん (本金)

金箔のこと。→金箔

ほんクロス (本クロス)

布クロスのこと。

ほんこくぼん (翻刻本) reprint copy

過去に刊行された本を底本として出版した複製刊行物。外国で刊行されたものをわが国で複製したものも翻刻本という。

ほんせいほん (本製本) case bound/hardback/hardcover

「上製本」ともいう。中身を糸で綴じ、別に仕立てた表紙をこれに結合させる。表紙が中身より一回り大きく、小口の三方にチリがつく。表紙には厚表紙と薄表紙とがあり、溝つき・突き付けのくるみ方と、丸背・角背とがある。本製本は、(1)本文が糸かがりされている。(2)見返しが必ず付いている。(3)表紙には芯紙があって、クロス・印刷紙・皮革で表紙貼りされている。(4)小口の三方にチリが付いている。(5)そして(1)~(4)の条件をすべて備えていることが必要。

ほんせいほんコンパクトラインき (本製本コンパクトライン機) compact flow line

本製本の一貫作業を、場所をとらず7.5mの長さと、2.5mの幅の小型にまとめた機械である。下固め、断裁が終った本を、コンベアーによって丸味耳出し・背貼り・花布付け・表紙くるみと、一切の工程を一機の流れ作業で仕上げる機械である。

ほんせいほんのこうてい (本製本の工程)

製本の種類は多いので、本製本の工程も一様ではないが、基本的には次のとうりである。突きそろえ→1部抜き→裁ち割り→付属印刷物の断裁→折り→別丁はり込み→見返しごしらえ→目合わせ・丁合い→糸とじ→ならし→締め→仮固め→小口装飾→仕上げ裁ち→丸味だし→バッキング→背固め→くるみ(はく押し→表紙ばり→くるみ)→のり入れ→仕上げ以上の作業工程は製本の様式によっても違いがある。

ほんせいほんようくるみきかい(本製本用包機械)

くるみ機械

ほんちょう (本丁)

責了となったときのノンブル。仮丁の対。

ボンド

(株)コニシの接着剤のブランドだが、接着剤全般をさして天然系ではない「化学糊」という程度の意味でも言われる。

「手かがり」の技法。→本かがり抜きとじ

ボンドし (ボンド紙)

小切手・証券・事務用に用いるペン書きに適した紙。

ほんのかたち (本の形)

わが国の書籍の形としての洋本の場合は、明治時代文部省の翻訳書(ほんやくしょ)の、型から発しているといわれる。現在、日本工業規格による「規格版」は、A版(841×1189)B版(1030×1456)とし、このA版、B版の全紙を16取り(32ページ)32取り(64ページ)を基本とする。「規格外」は、A版、B版全紙を20取り(40ページ)したものとする。教科書型、普通雑誌型はA版で、この1/2のものがB6版、以前の「四六判」とほぼ同じぐらい。週刊誌を四つ並べると大体、新聞1ページくらいの大きさである。また、週刊誌を横に二つ並べた大きさはB4判で各種のグラフ類に利用されている。

ほんのきょうどテスト (本の強度テスト)

プルテスター、張力試験機、フレックステスターなどがある。

honbubun.jpg書籍には各部に名称がついていて図のようになる。「小口」については、仕上げ断ちされた天・地・小口を総称して小口という場合がある。たとえば「小口金」は三方金付けの意味。(天にだけ金をつける場合は天金)また本の仕上がり寸法は天地・小口の寸法で表される。なお小口のチリを特に天地のチリと区別して「前チリ」という。

ほんフランス、ほんフランスそう (本フランス、本フランス装)

フランス装

ほんもん (本文) text

(1)書籍・雑誌などの付き物類(見返し・扉・口絵・前書き・後書き・索引・奥付)を除く主要部分。(2)本文中でも、見出し・リード文・図表・注・ネームなどを除く主要部分の文章。