紙を構成している繊維組織の均整の程度。紙を透かしてみて部分的にも薄厚のムラがなく均整のとれた抄き上がりのとき「地合がよい」という。
しあげ (仕上げ) finishing
最後の工程を終えて完成品になること。または最後の工程である検品・カバー掛け・包装作業をさす。
しあげしろ (仕上げしろ) trim off/trimming margin
化粧断ちで天・地・小口などの裁ち落とされる部分。
しあげだち (仕上げ裁ち) trimming
三方断裁機の中で自動的に処理されるのが一般的だが、穿孔・ミシン等、加工した枚葉紙の紙積みや、折丁・製本等は平断裁機で仕上げ断ちする。また2丁・3丁等多丁付けしたもののスプリッターやロータリーカッターによる断裁が仕上げ立ちになる場合もある。シオリがついたり切ってはならないページ(折り込み、袋になった箇所等)がある場合には二方断裁して仕上げ立ちは完了する。中とじラインのトリマーに断裁が寸法通りに行われたか、光電管により検査する断裁チェック装置が組み込まれている。これにより不良品は排出ゲートより自動的に排出される。仕上げ断ちされた本が普通になったのは17世紀以降と思われる。それまではペーパーナイフを本のかたわらに置いて袋になった箇所を切り裂きながらページをくって読書した。いまでも仕上げ断ちをまったく行わないアンカット本がつくられるこ→化粧裁ち
しあげバッキング (仕上げバッキング) backing
「うわ山」「うわ山たたき」のこと。ただ「バッキング」ということが多い。→うわ山
CMYK(シーエムワイケー)
シアン(C藍)、マゼンタ(M赤)、イエロー(Y黄)、ブラック(K黒)の4色による色の混合法。この4色インキをプロセスインキと呼ぶ。通常の印刷物は4色のプロセスインキで印刷されている。
シーケンス、シーケンサー sequence/sequencer
ある対象制御の変位、速度等の連続した物理量を一定の値(目標値)に維持したり、近づける制御を「フィードバック制御」というのに対して、複数の作業等を自動的に次々と開始・終了させていく制御を「シーケンス制御」という。シーケンスとは「連続」の意味。トランプでは同じ種類(スーツ)の続きをシーケンスという。シーケンス制御では、あらかじめ制御すべき順序が決まっており、一度ある状態値に達すると、その時点でその段階の制御終了とみなし、次の制御段階の開始を行う制御である。丁合機が稼働開始するとき、全駒が一斉に取りはじめるのではなく、1台ずつ順番を追って取っていくのはシーケンサーによって丁合機の作動が制御されているからである。シーケンサー搭載していない丁合機の場合、全部の駒が一斉に丁合を取りはじめるため、取りはじめの分は全台が揃っていなくて、不揃いの分は抜き取ってそれぞれの台に戻して、再度、丁合し直さなければならない。シーケンス制御の本質は、順序と時間を制御することである。
シーティーピー (CTP) computer to plate/computer to press
従来の製版~印刷の工程がデジタル信号により一変する。文字入力(写植、活版組版等)カラー情報処理(色分解等)のデータをデジタル信号により一元化して統合処理(MAC等のパソコンによる)し、フィルム出し・構成刷り等を省略して、いきなり印刷工程にかかる。コンピューターと印刷の刷版をダイレクトにつないだので「コンピューター トゥ プレート」という。「コンピュータ トゥ プレス」はパソコンのプリントアウトが印刷機に遜色のない品質・スピードになってきたことから、コンピューターから直接印刷するという意味で言われる。ドキュテック(ゼロックス)の方式は、印刷後さらに無線とじ・中とじ装置を組み込み、フロッピーを入れれば一冊の本になって出てくるところまで進化している。ページ数・版型・色数・生産時間等にまだ制約が多いが、いずれ軽印刷の水準に到達するものと思われる。
シール seal
ラベルの一種。商品包装の封緘や装飾のために貼る小さな印刷物。シーリングは「封じ込める」意味合いであり、シールは封緘が主な目的の接着剤付きラベルである。種々の形式と形状のものがある。離型紙と組み合わせて粘着剤がコーティングしてあるもの、裏面に乾燥した接着剤が塗布してあり、水その他に反応してくっつくもの等がある。
ジェットバインダー jet binder
丁合機・針金綴機・表紙くるみ機・三方断裁機を連結させて製本する機械。針金綴じをしないで、無線とじ装置に変更できるものもある。
スピン、リボンともいう。本の対角線より5cmくらい長く断ち、その内2cmを天側に出し残りを罫下側に出す。しおり挿入機械があり、自動的に本の背の上端に糊付けされ、紐は本の中に(紐の裾は本からはみ出さないように)折り込まれる。上製本は中本の化粧断ちが終り、表紙くるみされる前の段階で行われる。文庫本等の並製本ではしおり挿入が済んでから表紙くるみ・化粧断ちするので、しおりの付いた本の天は切れない。天をアンカットにして二方が化粧断ちされる。三方断裁するために、紐のしおりは付けず、短冊の紙片をしおりとして代用する本が多い。→本の部分名
しおりそうにゅうき (枝折挿入機) bookmark inserting machine
小口を上にして送られてくる本の中央を、振り分けプレートによって開き、その中にボビンに巻かれた栞り紐を自動的に挿入する。栞りは必要寸法に切られて本の中に折りこまれる。頭に出ている2cm程度の紐の端は、背に糊付けされて送り出される。
しかんしつどけい (紙間湿度計) hygrometer(inert type)
積み重ねた紙の間などの狭い空間の相対湿度を測定し、紙中の水分を知る計器。
しき (紙器) carton/paper container
板紙を用いて印刷・成形加工した包装容器。折り畳み箱・組み立て箱・貼り箱はじめキャリアカートン・ディスプレイ・紙管・紙トレー・紙カップなどいろいろある。最近ではプラスチック材料をラミネートした紙器も多い。
しきそう (色相) hue
色の3属性の一つ。明度と彩度を別にして、赤・黄・緑・青および紫のように、色を特性づける属性。JIS Z8721に色の3属性による表示方法が規定されている。
しきちょう (色調) tone
色の明度と彩度とを同時に考えた場合の知覚的評価。色彩の強弱・濃淡の調子をいう。
しきりがみ (仕切り紙) divider
員数の区分け、あるいは台分けをするために挟む紙片。→間紙(あいし)
しきりょう (色料) coloring material
彩色を目的に使用される着色剤料。顔料と染料がある。顔料は保存そのもので、また使用過程において多結晶体や凝集体の粒子の形をとる。染料は粒子として存在するものでも、使用過程で分子状になるので区別される。インキまたは色箔などには顔料が用いられる。染料は昇華転写・リボンインキなど特殊な分野に使用される。
ジグザグおり、きょうぼんおり (ジグザグ折り、経本折り) zigzag fold
名前のとおりジグザグ(山と谷が交互)になる折り方。特殊折りの一つ。お経の経本がジグザグ折りでつくられるので「経本折り」とも言われる。現在の折り機では最大38山まで1枚の紙を折ることができる。経本、地図、カタログ・パンフレット等にジグザグ折りは用いられる。折り山が段々にずれるピラミッド折りはジグザグ折りを応用し、ずれた箇所を見出しに使う等、目先に変化をもたせた印刷企画に活かされている。
じげん、じどうげんぞうき (自現、自動現像機)
以前は技術者の勘に頼っていた現像も、現在では現像、定着、水洗、乾燥、温度、時間を自動的にする機械ができ、初心者でも現像できるようになった。
した…… (下……)
製本用語で「下……」という場合、「さきに、以前の時点で」「前もってすること、準備、試み」等の意味で「下」が使われていることが多い。下固め、下拵え、下仕事、下職、下引き等。
したあわせ (下合わせ)
「罫下(けした)合わせ」のこと。→けしたあわせ、あたまあわせ
したがため (下固め) gluing and drying
背均しと平締めによって本の中身を平らにしたあと、つぎの仕上げ断ちを正確に断裁するために背に接着剤をひいて固定させる作業。専用の下固め機back gluing machineは、糸とじまたはアジロ折りした中身をクランプして、エマルジョン型接着剤を背にローラーで塗布し、電熱かガスで乾燥させる。手作業で固めるときの手順は、(1)一駒ごとに背と地袋に金輪の高さに合わせて積む。(2)上部に角板をあてがい、左右に金輪を掛けて締め取り、背に刷毛を使って澱粉糊かエマルジョン型接着剤を塗布して乾燥させる。→仮固め
したごしらえ (下拵え)
製本工程中の準備作業。
したしごと (下仕事)
仕事の準備をすること、あるいは補助的仕事をすること。上仕事・中仕事
したしょく (下職)
ある仕事の一部や、基本的工事を下請けする職業、またはその人。
したびきえき (下引き液)
箔押しするとき密着させるために使うシェラックスニス(ゼラックスニス)。
したやま (下山)
薄表紙の本製本では、背固めの前にバッキングを行う。これを下山という。逆に中身を表紙くるみした後に仕上げバッキングするのが「上山(うわやま)」。
しで (四手、紙出)
古紙・断裁紙の関西の言い方。「四手」「紙出」と漢字を当てる。四手は、神前に供する玉串・しめ縄等に垂れ下げる紙垂(シデと読む)。断ち落としが四手に似ているところからシデと言うようになったと思われる。
じてんようし (辞典用紙)
辞典、薬品・化粧品の効能書き等に使用される薄い印刷紙。
じどう…… (自動……)
製本機械は現在、スイッチがはいって、加工される紙が所定の位置にあれば自動的に各種加工が行われるのが普通になっていて、「機械」といえば自動機をさす。「自動」とは、自然に動くこと、自分の力で動くこと、みずから働くこと、の意味である。「全自動」は、自動的に加工を行うことを強調した言い方であり、加工を行うために付随して人が処理するさまざまのことをできるかぎり少なくしている。まったくの無人ということではない。
じどうセットかえきこう (自動セット替え機構) automatic size change/auto-set/automatic changeover
機械各部の調整箇所を小型モーターで動かし、機械調整をコンピューター管理する機構。オペレーターの経験と勘に頼っていた機械調整を、製本する本の仕様に最適の設定値をコンピューターに入力することによって自動調整し、機械準備時間を短縮する。一度入力して保存したデータは次回の同じ仕事(ワーク)に対し呼び出し再現することができ、省力化ばかりでなく品質の安定化にも役立つ。折り機、丁合機、無線とじ機、中とじ機、三方断裁機等に取り入れられ始めている。
じどうそうかそうち (自動装架装置)
折り丁のページ順に丁合作業を自動的に行う機械である。折り丁をページ順に入れるボックスと、ボックスから1折づつ咬えて引き出す万力の部分と、引き出された折り丁を、次々と運ぶコンベヤーの部分からできている。また折り丁の咬え方には万力(アーム)方式とロータリー方式があり、ロータリー方式は1回転毎に2回どりとなる→丁合機
じどうちょうあいはりがねとじき (自動丁合針金綴機) automatic gathering & stitching machine
丁合および針金とじを自動的に一連に行なう機械。
じどうハトメうちき (自動鳩目打機) eyelet perforation machine
冊子、カレンダー、厚紙などに穴明け、鳩目打ち、鳩目つぶしを同時に行う機械。
紙面にある粉末状のゴミ。断裁の際に生じる粉末状の切り屑が紙面に付いたもの。紙表面から剥離した墳料・繊維片等から生じる。製本工程では、断裁・折り・丁合をはじめとしあらゆる工程から紙粉を発生させている。ほとんどの紙粉が微細な粉末になって空気中に飛散してしまうが、掃除の行き届かない機械の裏側等に埃・機械油等とともに堆積しているのを見ると、紙粉が製本所の作業環境を損なっていることは確かである。また機械内部に侵入して種々のトラブルの原因になる。バインダーのガリ入れは、本の背にグラインダーをかけてケバだたせるので、大量の紙粉がガリステーションから生じる。バインダーのこの箇所にはあらかじめバキューム装置が設けられて、発生する紙粉を吸塵袋に集めてしまう。紙粉は紙粘土、飼料等の墳料、コンクリートの代替材料等に再利用(リサイクル)が研究されている。印刷機上でも紙粉がブランケットに付着して、ピンホールになる。
しぼ (斑点) grain
皮などの毛を除いた後の、ぶつぶつのある肌目(きめ)。擬革紙などに、人工的にシボをつける。
しほうけしょう (四方化粧)
白紙の断裁技術。寸法統一、菱形修正、紙粉除去と、四方角を直角に仕上げることを目的とした化粧断ちの方法。
しほうちつ (四方帙)
和本装丁の一つ。同じ著者の複数の本とか同じ傾向の本を一まとめに収納・保護・保管する目的で考案された。帙の基本形(標準型)は「無双帙(むそうちつ)」。上蓋と中蓋・底のそれぞれの部分が溝で接合されている。「半袖」は中蓋が無双の半分の大きさ。中蓋が白紙になっているものもある。「四方帙」は、無双帙の底の部分、天地に羽(袖)が付いている。また帙には、上蓋から帙紐を通して爪がつけてある。
製品の積み上げ方の一つ。ともえづみ・井戸積みともいう。
伝票製本が本来の意味だったが、いまはもっと広義に、中とじや無線とじする軽印刷製本等も含めている。ペラ丁合を主体に伝票製本で使う製本機械を使い、比較的小ロット、刷本も小サイズのものを受け入れることが多い。製品としては、伝票・帳票、メモ帳、会社内の文書・書類・ページ物、カタログ・パンフレット等の商業印刷物等々、多岐にわたる。
じむようひん (事務用品) job materials
一般事務を行なうに必要な、伝票・帳簿類等の総称。
しめいた (締板) pressing board/end boards
丁合いした折丁や(見返し糊入れなどの)仕上げ途中の本などを締め機に掛けるとき、汚損を予防するために間に挾む木板、固い板紙など。専用の締め板は、厚さは約3cm、両端にツノのようなでっぱりがあるので「角板(つのいた)」ともいう。
しめおし (締め押し、締め圧し) pressing/nipping and smashing
印刷物を落ちつかせるため加圧する「締め取り」の作業。仕上げ途中の下固め(手作業)や製本完了した本を積み上げ締め板を上下に当て、金輪を用いて締め取る。事務用製本では切り取りミシンを入れたもの、複写丁合したもの、折丁等をなじませるために行う。通帳製本、上製本では締め板・金輪等の器具で締め取り、一昼夜、締め押しして本をねかせる自重も生かした方法、専用の締め機械(背均し機、平締め機等 signature press)により加圧する方法等がある。
刷り本が、折りたたまれて折り丁となってから、本にでき上るまでの工程中、これらをおちつかせるために加圧する機械。手動式のもの、電動式のものなどがある。
しめとり (締め取り) pressing
締め板・金輪などの用具を用いて、本の中身に強圧を加えて、紙葉を落ちつかせること。
しめとりき (締取機) pressing machine
締めとりするために用いる機械。→締機
しもふりこぐち (霜降り小口) frost edge
パラ掛け。本の小口面を染めたもの。小口装飾のひとつ。→パラ掛け
しゃ (紗) gauze
目の粗い織物。スクリーン印刷版に使用される。「寒冷紗」は製本材料に使われる。ガーゼである。
ジャギー jaggy
文字を拡大してみたときに、縁の部分に見られるギザギザ。コンピューター文字のビットマップフォントはジャギーがある。これをなくし、滑らかな画線で表した文字がアウトラインフォント。
しゃしょく (写植)
写真植字機を使って印画紙に文字や記号を写したもの。写真植字の略。現在の印刷文字は鉛活字にかわって写植による文字がほとんど。写研やモリサワは写植機のメーカー名。
印刷術発明以前、発明後も印刷が普及するまでは、文字・絵等すべてを手書きで多くの本がつくられた。写本、写経。うつすことが学問であり勉強を意味した。製本も写本や写経した人が自分で行っていた。今日にそれらの本や紙葉が残って学術・美術の対象になっている。
しゃれぼん (洒落本)
江戸時代の明和から天明にかけて(18世紀後半)江戸を中心に発達した小説本。一般に半紙四つ切り大の小形本。こんにゃく本、油揚げ本ともいう。
ジャンボけっそく (ジャンボ結束) long bundle/jumbo bundle
輪転印刷機が折丁出ししたものは自動結束されるが、折丁をバンド掛けした1本の分量が人手で処理できないほど大きなものを「ジャンボ結束」と呼んでいる。コンビ折り機の自動結束は長辺最大40~50cm程度で、片手で持てる重さだが、ジャンボ結束は約1.1m、60~100kgもある。製本所の刷本受け入れ・工場内マテハンは、この場合、パレット積みしたままフォークリフトでなければ不可能になる。折丁は切り違え集積していなくて一方向に揃った一本積み。オートローダーやロングフィーダーに積み込み、丁合機への装架がコンベアにより自動的にできるように想定している。オートローダー等を使わない製本所では、パレット積みしたまま90度反転し、台分けの際、折丁ブロックを平で積み上げた状態に置き、積み屋はブロックの上の折丁束を取って装架する。結束紐(PPバンド。アメリカではスチールバンドもある)はローダーに積み込むまではずしてはならない。
しゅうじょう (摺帖)
しゅうじょう (集帖)
昔の名家の筆跡を集めた法帖。
しゅうちん (袖珍) pocket book/pocket edition
着物を着るのが日常だった頃にできた言葉。袖にはいるほどの小形なので「袖珍本(しゅうちんぼん)」といった。ポケット版とか、現在の文庫本、ミニ本等にあたる。
じゅうなんそうてい (柔軟装丁) soft cover/limp binding
表紙に柔らかい革やクロスを使い、薄い紙を芯にしたしなやかな本。薄表紙でもある。→薄表紙
硬背に対する「柔軟背」
しょうのり (生麩糊) wheat starch
小麦粉を蒸煮して作った糊。和本仕立てや表具仕立てなどに用いられる。
じゅうはん (重版) seccomd edition
「再版」と同様の意味。再版を重ねる。
しゅうよう (摺葉)
じゅうろくおり (十六折り)
(1)4度折りしたもの。32ページ折り。(2)16台目の折丁。
しゅしゃぼん (手写本)
手写した書冊類。印刷の発明以前は、ほとんど書物類は手写された。→写本
(1)断裁機や穿孔機の当て定規。定盤に埋め込まれていて、包丁や針の受けでもある。(2)手包丁で本などを断つときに使用する小道具。その物の形状に合わせて作った木型。現在は合成ゴムや可塑性のあるプラスチックになっている。(3)かなてん定規、こつ、定木等も定規である。
しょうけんようし (証券用紙) bill paper
各種の証券や重要文書などに用いられる紙。紙質が強靱で耐久性があり、やや厚手の紙。
じょうざらがみ (上更紙)
GP60%以下、残りは化学パルプで抄造した印刷用紙。JIS P3103印刷用紙Cに相当する。
じょうしつし (上質紙)
GPを含まない印刷用紙。多くの場合SPのみで抄造し、白土12%前後を混ぜる。JIS P3101印刷用紙Aに相当する。着色したものを色上質という。
じょうそうぼん (帖装本)
摺本・折本・画帖・集印帖・旋風葉の総称。
じょうばん (定盤) finisher's slab
裁断機の作業盤、突き揃え機の紙のせ板、ドリル穿孔機の作業盤等。この上に紙積みが置かれて各種の紙加工が行われる。肉厚の鋳物である。ダライ盤ともいう。
しょうふノリ (生麩糊) wheat starch
小麦粉を煮て作ったノリ。和本仕立てに用いられ、虫食いに強いといわれている。
しょかんようし (書簡用紙) letter paper
手紙用の紙。一般には便箋などが使用されるが、毛筆用に和紙の巻紙なども使用される。
しょくはん (殖版)
1枚のフィルムをくりかえし焼きつけて、多面つけの刷版を作ること。殖版焼きともいう。
しょこう (初校) first revise
1回目の校正。
じよごれ (地汚れ)
刷版の不良や湿し水の不足などによって、非画線部分にインキがついて印刷汚れが出ること。グレージング。
図書を調査研究の対象とする学問。広義には、印刷術・製本術・古文書学・文献学・分類学・写真術・書道、紙・筆・墨等の材料の研究までを含む。図書ならびに図書関係事項の一般的研究と、個別の図書・文献についての考証的研究である。図書学。
著作物を印刷に付して製本したもの。種類が非常に多い。古くは手写により、巻子本様式から始って今日の書籍型に及んでいる。書物・本・書冊・図書
しょせきおり (書籍折り)
「ナイフ折り」のこと。
しょせきようし (書籍用紙) book paper
書籍の本文に用いる印刷紙の総称。中質紙、上質紙が多く、図版の多い書籍にはアート紙・イミテーションアート紙・マシンコート紙などの加工紙を用いる。紙に表裏差がなく、なめらかで色が白く、コシも強いうえ弾力性に富むことが必要とされている。
しょせきりんてんき (書籍輪転機) rotary magazine press
書籍・雑誌を専門に印刷する輪転印刷機。オフセット・凸版・グラビアの版式がある。
しょだい (初台)
台分けしたときの1番目の台。1~99ページ。
ショッパーたいせつつよさしけんき (ショッパー耐折強さ試験機) Schopper folding endurance tester
ドイツのSchopper社が作った紙の耐折強さ試験機。幅1.5cm、長さ約10cmの試料(紙片)をグリッパーに差し込み、790~1000gの張力の下で表裏に折りたたんだとき、切断するまでの往復折りたたみ回数を求めて紙の耐折強さを調べる。JIS P 8114
じょぶん (序文) introduction
書物の巻頭に刊行の趣旨・経緯・凡例などを記述した文章。→ページネーション
→書籍
しりあわせ (尻合わせ)
けした合わせのこと。→けした合わせ
化学のケイ素。高分子有機ケイ素化合物から成る合成樹脂。耐熱性・耐水性・溌水性などに富み、断裁機定盤上における紙回し等の際に紙の滑りをよくする滑走剤、および定盤等に防錆剤として製本所でもスプレーのシリコンが愛用されている。三方断裁機の刃にホットメルトがへばりつかないようにシリコンスプレーを吹きつける、ドリル穿孔機のドリル針にシリコンスプレーを吹きつける等々の使用例もある。
シルクスクリーンいんさつ (シルクスクリーン印刷)
スクリーン印刷と同じ。
しろくばん (四六判)
本の規格外の仕上げ寸法。出版社によって四六判は寸法に微妙なちがいがある。小口132mm×天地188mm、小口127mm×天地188mm、小口130mm×天地194mmが四六判として印刷技術書等には説明されている。この寸法では四六全紙からは取れない。尺貫法では、小口4寸2分~4寸4分、・天地6寸2分~6寸4分だったが、これが概略4寸×6寸、つまり四・六の大きさ、四六判になったと言われる。三六判、三五判も同じ事情。
しろやれ (白破れ)
白紙の損紙。
しわ (皺) wrinkle
紙のしわは、用紙抄造後の巻き取りおよび巻き返し、印刷巻き取り紙の給紙、印刷胴・折機・刷本結束時・製本丁合い等の時点で発生する。「袋じわ」と呼ばれる、折丁の袋部分に発生するしわもある。紙の柔軟性が柔らかいほどしわは発生しやすく、用紙巻き取りの左右の巻き圧が異なる場合も印刷時にひねりの力が働き、しわになる。用紙抄造時のしわをwrinkle、印刷加工時のしわをruckと呼ぶ。
しわがみ (皺紙) wiping-off paper
製本の背固め時に用いる厚手のクラフト紙。用紙抄紙後に特別にしわを付けて加工した巻き取り紙。本の天地寸法に合わせ、巻き取り紙からカットする。
しんいろよし (新色吉)
金を使っていない金箔(着色箔)の一種。
しんがみ (芯紙) board
貼り表紙の芯となる紙。紙質は強靱で伸縮の少ないものを選ぶ。厚表紙には板紙(黄板・チップボール)、薄表紙の場合は地券紙などの薄紙を用いる。
しんくうほうそう (真空包装) vacuum-packed
ジンクばん (ジンク版)
PS版が開発される以前に使われていた。すずと鉛でできたオフセット用の版で、表面を研磨して数度使うことができる。
しんしょばん (新書判)
B全判40取り規格寸法外の単行本。仕上がり寸法 小口103mm×天地182mm。
しんつぎ (芯継ぎ)
薄表紙のとき表紙の背あきを等間隔にするため、のど紙でつなぐこと。
しんぶんようし(新聞用紙) news printing paper
新聞印刷に用いられる紙で、いわゆるザラ紙(更紙)がその代表。GPが77%、SPとSCPが23%ぐらいの割合でつくられたものが多い。