紙加工・製本・印刷・DTPデザイン/編集・オンデマンド印刷@浅草永住町

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ナイフ knife

(1)断裁刃、断裁包丁のこと。(2)ナイフ折り機・コンビ折り機には紙を折るナイフがある。

ナイフによる紙折り。紙の折り目をプレート状のナイフと2本のロールによって折る。(1)ベルトコンベアーを刷り紙は高速走行して終点の突き当てで止まる。突き当たった瞬間に刷り紙の中心に折りナイフが下降し、向かい合って回転している一対のはさみ込みロールにより刷り紙は二つ折り(大折り)される。ナイフの刃先には2本の針を装着し、折り紙の内部から空気を抜く仕組みになっている。(2)1度折りで二つ折りされたものは、送りベルトの上に落とされ、2度折り機の2本のロール上に運ばれ、ナイフとロールの折り機構により四つ折り(8ページ)される。(3)3度折り機は四つ折りした刷り紙を、もう一つの折り機構でさらに折り(八つ折り)16ページ折りとして仕上げる。16ページ折り(B6上がり)で毎時1,500枚のスピード。「直角折り」ともいう。手折りの「回し折り」の手順を機械化した。書籍の折りはナイフ折り機で折られることが多い。「書籍折り」「ページ折り」と言う人もある。「K折り」の「K」はナイフknifeの頭文字による。

ながあみしょうしき (長網抄紙機) foundrinier paper machine

コンベア状の金網をエンドレスに走行させ紙を抄造する機械。この金網の上に紙料が流し出されて紙層を形成する。これを圧搾部で脱水したのち乾燥部で乾燥して仕上げる。

なかいれがけ (中入れ掛け) quirewise imposition

中綴じの場合の版の掛け方。各折丁を中央から開いて重ね合わせてページ順が正しくなるように、各折りの版面を掛け合わせる。例えば32ページ物だと1折りは1~8ページ・25~32ページの16ページ折り、2折りは9~24ページの16ページ折りとなる。1~16ページが1折り、17~32ページが2折りになる平とじの面付けとちがっているので、とくに「中入れ掛け」という。ページ数の多い(台数の多い)中とじの場合、本の真ん中にくる折丁(1台目)と表紙や巻頭・巻末の折丁(最終台)では、ノドのあき(余白)の取り方が違う。1台目から最終台へのノドのあきは少しずつ広くなっていく。

「断ち割り」のこと。だるまがけや回し刷りのときに刷本を大断ちする。

(1)ページ数の少ない小冊子が内・外2種の折丁でつくられているとき、外折りの内側に差し込みして綴じる折丁。(2)16ページ折りは3度折りするが、2回目の折りのこと。1回目は「大折り」、3回目を「小折り」。

ながおり (長折り)

(1)帳型(横長の本)の背とじのときに行う折り方。(2)「巻き折り」と同義。

なかがため (中固め)

「下固め」のこと。

なかげだい (中外題)

外題

なかしごと (中仕事)

仕事を上、中、下の三段に分けて作業する場合の中段の仕事。

なかせばり (中背貼り)

上製本の背固めで背貼り材料を3枚貼るとき、2枚目を中背貼りという。3枚目の上貼りと区別していう。2枚のときは、中背貼りと上背貼り。

大断ち

なかづり (中吊り、広告)

車内広告で、車両の天井部から吊り下げたもの。

製本の綴じ方のひとつ。本文と表紙を同時に丁合いしノドの折り目部分で、針金または糸により表紙と中身をとじる。「背とじ」という呼び方もある。
針金による中とじは、週刊誌等の作業時間が短い雑誌類、カタログ・パンフレット等の商業印刷物のように比較的ページ数の少ない薄手のもの、もしくは見開きのよいことを求められるものに多く使われる。針金を打ち込む箇所は本のセンターページ、2ヶ所または3ヶ所。ただし真ん中にくる折丁が抜けやすい、真ん中のページに出てくる針金の先端で読者の指を傷つける心配がある等の欠点もある。
糸による中とじは、ノートや学習帳、絵本等、見開きが良く、本としての強度も求められるものに多く適用される。絵本などの本文綴じはミシン糸で縫い、saddle sewingという。

なかとじき (中綴機)  saddle stiching machine/saddlebinder

入紙掛け(鞍掛け)・表紙給紙(カバーフィーダー)・中とじ(ステッチャー)・三方断裁機(トリマー)により構成される。トリマーの後、さらにクロススタッカー等が連結できる。機械の作動は、まず入紙掛け機(ロータリー式の丁合機)より断面が三角形の鞍型搬送チェーンの上に折丁が二つに開いて跨がって落ち、順次丁合される。表紙はあらかじめ折っておいて通常の丁合機で開いて給紙するか、専用のカバーフィーダーで折って開いて給紙する。搬送チェーンにより綴じ部に送られ、背側からステッチングヘッドにより針金が打ち込まれ、下から突き上げられて針金の両端が内側に曲げられ、センターページをしっかり綴じ込む。とじる箇所は2箇所ないしは3箇所。次いで三方断裁機へ移動し、天地小口の三方が化粧断ちされ完成する。接着剤によらず、製本工程も簡略であり、他の製本方式にくらべ手ばなれがたいへんよい。高速中とじは7,000~18,000冊。最高速40,000冊(各毎時)という機種もある。また手掛けの中とじ機もある。
メーカー・商社 (株)尾土谷製作所、三光精機(株)、東京出版機械(株)、(株)ホリゾン、(株)的場製作所、南機械製作所、イリス商会(株)、ハイデルベルグPMT(株)、ミューラーマルティニジャパン(株)

一冊の書物の中に標題が二つ以上ある場合、それぞれの標題部分につける扉をいう。本文と共紙に印刷されることが多い。別丁で色紙を用いることもある。

折りたたみ装置のついた輪転機の印刷版のかけ方に「中抜き掛け」がある。32ページ掛けを、16ページ2組あるいは24ページと8ページ分を掛け合わせて印刷した場合、排出される折丁の罫下を断裁して中折りを抜き出して、16ページ折り2組、または24ページと8ページの2台にして折丁出しする。折丁の中から、別に使用する折丁・ペラ丁をあとで抜き取り(中抜き)する。輪転印刷機の稼働率はあがり、紙の無駄もはぶけるが、中抜き作業を行う製本所は非常な犠牲をはらうことになる。→抜分より分け

なかのり (中糊)

2度折りした折丁の、内側の折丁の背、または外側の折丁のノドに糊を入れること。ヒンジ式製本の巻き見返しをする8ページの折丁は糸かがりしていないので、内側の折丁がこぼれないように「中のり」を入れ外側の折丁に接着しておく。

なかばり (中ばり)

別丁を、折丁の中央に広げて中に貼る方法。1枚ずつ折丁の折り目にそって貼る。

なかびょうし (中表紙)

中扉

なかびらき (中開き)

「見開き」のこと。→見開き

なかほん (中本) bookblock/gatherings

「中身」のこと。

なかほんがけ (中本掛け)

活版の特殊な組み方。左右の両端に略掛け、中央に本掛けを併用する。全紙両面に48ページ印刷する場合、16ページを二組作り版の両端に表裏版、中央に表版を組付けて印刷した後、両端の版はそのままで中央の版だけを裏版に組替えて裏面を刷る。印刷を終わった全紙を3裁して折る。本掛けするのに間に合わない版がある場合、また最後の台のページ数に半端が出る場合に行う。

ながまきおり (長巻き折り)

特殊折りの一つ。長巻き八つ折り、巻き八つ折り、巻き四つ折りなどの平行折り。

なかみ (中身) bookblock/gatherings

本の表紙によりつつまれる部分。表紙以外の中身。

なかミシンとじえほん (中ミシン綴じ絵本) saddle sewn picture book

幼児向け絵本製本の一様式。(1)4ページに小断ちした印刷紙を、片面印刷とした一折りから順番どおりに丁合いする。(2)丁合本を縦積みして小口側の片方に糊つけして固め、乾燥を待って一冊ずつに剥がして分け、本の中央部分に糸ミシンを掛ける。(3)表紙(裏白)を小断ちして、裏面に糊つけする。(4)中身の一折りの白の部分に表紙を貼って合紙したあと平締め(プレス)する。(5)乾燥を待って天地のみ仕上げ寸法に化粧断ちし、さらに小口側の天地部分を角丸切りして完成する。他の切り付け表紙と違って、綴じ目が外側に無く糸のほつれを防いでいるのが特徴である。

なかみなおし(中身直し) resewing

直し本。表紙を中身から取り外し、中身は従来の綴じをほぐして改めて綴じなおす。背固めし、取り外しておいた元の表紙をつけて修理する方法。

なかわり (中割り)

皮を3枚にそいだときの中層の部分。→へぎ皮

なげいれ (投げ入れ) insert/inset

丁合のさいに、別にあらかじめこしらえたブロックを普通の折丁と一緒に本の中に綴じ込む。「付録」「特集」等の言い方で本誌とは区別した部分を、本文等と一緒に綴じている。袋にはいったCD・テープ、本誌とは別に冊子に製本されたもの等を丁合1台分を使って投げ入れする。「付録」は本来、本誌とは別に製本されるが、その「おまけ」としての意味が強調されて本誌の中に綴じられていながら、あえて「付録」と表現される。投げ入れされるものは、化粧断ちの際、断ち落としする部分と一緒に切られてしまうのを嫌って本誌より小さな判型でつくられることが多い。

なげこみ (投げ込み) insert/thrown-in

完成した本にカードやアンケート用紙等をはさみこむこと。中本として一緒に綴じられていないし、貼り込みされているわけでもない。「投げ入れ」は一緒に綴じられ、似通った「投げ込み」という言葉とは意識して使い分けする。

本の間に大判の地図・表などを別折りして挿入する。挿入箇所に、本文ページと同じ大きさの丈夫な紙葉を綴じ込んで台紙とし、その前小口に別折りを貼りつける。投げ入れた別折りを本の外側に広げて見られるようにする方法。「引き出し別丁折り」ともいう。

なじむ (慣染む)

しっくりする。調和する。とけあうといった意味。表紙の箔押しで、配色の具合がよく調和して落ちついた感じが出ていること、紙と接着剤のくっつき具合に違和感がなくなじんでいること、異種の紙を組み合わせて製本しても一冊の本としての調和がとれていること等々をいう。多色印刷の階調のある部分の色調が不自然に再現されることを「なじみが悪い」という。

なっせん (捺染) textile printing

布地に模様を染色する技法。捺染印刷もある。

ななこおり (斜子織り)

平織り。織り方が方形で打ち違いに粒立って見える。生地の丈夫な布クロスになる。

ななめたち (斜め断ち)

菱形などに断裁すること。カバー袖の表紙裏に折り込まれる角は、斜め断ちされている。

なみせい、なみせいほん (並製本、並製本) paper back/softback/softcover/soft bound book

中身を綴じ、表紙と接着して両方を同時に仕上げ断ちした製本方法。雑誌・パンフレットなどに見られる針金綴じ、無線とじの本が「並製」である。糸かがりしていても表紙くるみして、チリをとらずに三方断裁すれば、チリがないので「並製」「並製本」ということになる。書籍であっても表紙くるみしたところで三方を化粧断ちすれば、チリがないので「並製」「並製本」である。上製本・本製本に対して、「仮製」「仮製本」ともいう。外国ではソフトカバー、ペーパーバックと呼ばれる。19世紀、イギリス出版界の大量生産時代に生まれた。→仮製本

なみとじ (並み綴じ) plain sewing

テープとじや和とじなど特殊なとじ方以外の普通のとじ方。

糸かがりした中身の背は、針穴と糸の太さが加わったことによりほかの部分より厚くなっている。このままではあ仮固め以降の作業に差し支えるので、ならし機を使って中身の背の部分を圧搾して均しほかの部分と同じ厚さに調整する。ならし機に挟む本の厚さは8~9cm前後を一駒として扱う。背の部分の厚さを決めるには、地袋から天袋の部分と反対側の厚さと背の厚さが等しくなるまで圧搾する。製本完了後に背割れなどが発生する原因は、主に背の均し方に起因する。 メーカー (株)石田製作所、(株)近藤鉄工所

ならしき (均機) nipping & smashing machine

ならしを自動的に行う機械。最近本の飛び出しを防ぐため、背の部分を局部的に締めを行ないながら進行するものもある。→地合い

ならしこみ (ならし込み)

もぐり

なれ (慣れ)

紙の地合いのこと。→地合い

なんきん (南京)

見返し(2ページ)の片側に15mm幅の裏打ち寒冷紗を足継ぎし、それを本文の巻頭と巻末に貼り込み、丁合い・下固めを経て、ノド際に針金で平綴じして仕上げ断ちする。南京に用いる表紙は背クロスを用いた継ぎ表紙仕立てとし、板紙の厚さは1~1.5mm程度。平紙は印刷紙、背空きは束厚プラス20mm位が適当。三方のチリは各2mmをつけてくるむ。主に教科書・講義録・チャイルドブックなどに行われる。「南京表紙」「南京とじ」「東京ブック」等の言い方もある。

なんきんかくやま、なんきんかくやまひょうし (南京角山、南京角山表紙)

表紙の背に板紙の芯を入れた継ぎ表紙仕立ての南京様式の製本。南京と違って、背に文字を箔押しすることができる。中身の仕立て方と表紙の背空きの取り方は南京製本と同一仕様となる。

なんきんびょうし (南京表紙)

南京製本の表紙の一つ。南京角山表紙に対して、板紙とクロス等を用いてはりあげるもの。

数字、アルファベット、かな、漢字等の文字を一定のルールで配列して情報にする。コンピューターが普及する以前からさまざまに使われていて、伝票製本を行う製本所では「ナンバーリング」として整理番号の印刷(刻印、打印)を社内で行っていた。最近は、ポスシステム(バーコード)の普及もあってあらゆる産業界の商品管理・顧客管理等に、整理番号による方法が取り入れられている。出版物でも「ISBN4-88983-042-1-」のように裏表紙等に記載されている。
1冊単位の番号を「単番」、一種一連番号を「追い番」、一種ごと符号を付けて番号を入れたものを「千字簿」、1冊ずつの番号と1枚ずつの番号を組み合わせたものを「親子ナンバー」という。OCR読み取り機に対応した「チェックナンバー」「チェックディジット(CD)」が最近は多い。「チェックナンバー」には、7チェック・9チェック・11チェック・モジュラス10、モジュラス11・モジュロチェックがある。いずれも暗号めいた数字等、記号の羅列のように見えるが、一定のルールがあり、商品管理・顧客管理等に大きな効果をあげている。
本のページ表示「ノンブル」は「ナンバー」のフランス語の言い方。本来「ノンブル」も「ナンバー」も同じ意味。「ノンブル」と言うことで本のページ表示に意味を限定しているナンバーリングの一つである。→
整理番号