そうあき (総空き)
→背空き
そうくり (総繰り)
丁合いした折り本について各折りごとのノンブル(頁)を読み合わせて丁合い順序を確かめる方法。この作業は丁合い作業の始めと中間に行い台割り全体を確かめる。いわば抜き取り検査としての効果がある。総繰り検査のやり方は、先に巻頭の貼り込み順序を確かめ、次の折丁の表側から下一桁の数字を読み合わせて行く。例えば、全台16ページの場合は1・7・3・9・5の下一桁の数字を繰り返して読み合わせ、8ページの場合は1・9・7・5・3の下一桁の数字を読む。途中に別丁が入った場合はそのページをプラスして読み合わせ、常に折りの表に出る数字が奇数ページであることを確かめる。
そうざんぼん (宋槧本)
→宋版
ぞうしょひょう (蔵書票) ex-libris/bookplate
書物の個人所有を示すため表紙の内側に貼りつける小形の印刷物。主として欧米で行われわが国の蔵書印に相当する。
そうちょう (宋朝)
漢字書体の一種。楷書である。中国の出版では明朝体とならび多く使われた。
ぞうちょう (増丁)
製本所は一般に「取り込み」と言っている。増し丁、取り増しのこと。2枚差し等、多く給紙してしまうこと。
そうてい (装丁) book binding design
装幀とも書く。表紙の図案を考え、本を美しく装うすべての行為を意味し、外箱・カバー・表紙・見返し・扉などの文字や図案のほか使用する材料や製本様式そのものも装丁の対象に入る。装丁の材料には紙・段ボール(外箱用)・革・クロスなどがある。
そうていざいりょう (装幀材料) cover material
クロス類・布地・皮革が使われる。クロスがもっとも種類が多く量的にも多くの出版に採用されている。特殊紙を含めた紙クロス、塩ビ等のビニールクロス、布クロスがある。
中国の宋時代に刊行された書物の総称。宋版は、字句が正確で、書体もすぐれ、刻版もはなはだ入念な上に、刷りも清明なことで名高い。宋槧(ざん)本
ぞうほん (造本)
書物の印刷・製本・装丁、用紙・材料等の制作技術面に関する設計とその作業。
ぞうらくちょうけんちそうち (増落丁検知装置) caliper/miss nad double detector/book thickness detector/bookweight detector
丁合機の各ステーションに取り付けられている「厚み検知装置」が、増丁(取り込み)・落丁(取り落ち)を検知するものt、一冊分の丁合が終わった箇所につけられ、重量を計って増落丁を検知して次工程へ搬送するコンベアから不良品をバイパスに移して除外するものがある。 メーカー (株)ノーム、富士機械(株)、富士油圧精機(株)、ミューラーマルティニジャパン(株)
ソーダー・パルプ soda pulp
苛性ソーダーの溶液で木材を蒸解したもの。原料は濶葉樹などで伸縮しないが紙の強度は高くない。
そぎかわ (削ぎ皮)
一枚の皮を2~3枚にはいだ皮。→へぎ皮
そくい (続飯)
飯粒を練ってつくったノリ。粘着力が強く、和本の修理用などに使われる。
そと (外)
本の函(箱)についての装丁。製函(箱)指定書を別個に作り、製函様式(貼り函・釘函・夫婦箱・帙など)・芯材料・貼り材料・印刷仕様・箔押し指定などを行う。
ソフトカバー soft cover
軟らかい表紙の本。薄表紙でもある。ハードカバー(hard cover)に対していう。糸とじ・あじろ綴じ・無線とじの文庫本・新書本(ペーパーバック paperback)などに多く見られる。
ぞべり
丸背の本の中身 小口側は、表紙に近いあたりである程度の肉厚になっていないと、背の丸み出しが不十分で耳の形も整っていない。この肉厚が薄く貧弱な状態を「ゾベリ」という。ゾベリでは耳出しをするジョイント・アイアンの背部に圧力がかかりすぎ、中心部に背割れの前兆であるひび割れをつくる。同時に巻頭の一折りを接合している箇所が剥がれ易くなり背割れする。「どべり」ともいう。
そめがみ (染め紙)
→色紙
そめこぐち (染め小口) stained edge
染料で装飾した小口。
そりぐせ (反り癖)
→くせ
そりせ (反り背)
本の丸背の仕立方の一種。→柔軟背
そんし (損紙) spoilage
ヤレ(破れ)ともいい、印刷または製本工程で加工しそこなった紙。ミスのない紙を正紙というが、印刷ミスのものは刷りヤレ、白紙のままの損紙は白ヤレとよばれる。