バーコいんさつ (バーコ印刷)
印刷インキに発泡剤を混ぜて印刷し、熱を加えて印刷した文字や図柄等を盛り上げる印刷方法。
バーコード bar code/universal product code
太さの違う線とその間隔(線と線の間の白地の幅)の並びで、英字・数字等を表現した符号。各種商品に印刷または貼付される。機械による読み取りを前提に開発され、POSシステムで多用されている。
→羊皮紙
ハーフトーン half tone
中間色。網がけのかかった部分。
ハイ・キー high key
全体に明るい仕上がりの写真。また製版では、暗部を低い濃度にして明るくすること。
ハイス high steel
普通鋼は、鉄と炭素との合金。ハイスは、鉄に特殊の元素を添加した特殊鋼である。
ハイライト highlight
画像のいちばん明るい部分。
バインダー binder
(1)無線とじ機のこと(perfect binder)。(2)印刷紙や書類を綴じ込むため特別に造られた表紙(ファイル、バインダー mechanical bind)。
パウダー powder
印刷後、インキの裏移り防止のため澱粉・タルクなどの微粉を圧縮空気を利用して容器から噴出させて、印刷面に撒く粉。スプレー式もある。製本所は印刷紙からパウダーや紙粉が飛散して、ほこりっぽい。工場内を清潔に保つには吸塵装置を設置して頻繁に掃除する。→紙粉
伝票類の背固めしたものを1冊ごとに剥がして分離することをいう。ペーパーナイフ、ヘラ等の道具を用いるときと、手で操って剥がす場合とがある。「背固めはがし」のこと。背固め分け、へらはがしとも言う。書籍で手で下固めするときにも行なう。
はがしじるし (剥がし印)
剥がしの境い目がわかりやすいようにつける目印。
「帯紙」のこと。
はぎかわ (剥ぎ皮) rip skin
完革(まるかわ)を2枚~3枚に割った革をいう。→へぎかわ
(1)箔とは金属を薄く紙のように圧延した物(金箔、アルミ剤、銅箔、錫箔など)
(2)転写箔 Hot Stampig Hoil
本、手帳、アルバム、紙器、プラスティック製品などに箔押しの材料として広く使われている熱転写箔を総称して箔と呼ばれる。
(3)転写箔の種類と用途・特徴
(4)メタリックホイルの構造
ベースフィルム(ポリエステル12~25マイクロメートル/紙製本用は12マイクロメートル)に離型層、着色層、蒸着層、接着剤層が重層にコーティングされ製品となっている。接着剤にはアクリル、ウレタン系の合成樹脂剤が使われており、用途別にタイプが揃えられている。
メーカー・商社 カタニ産業(株)、(株)田中孝商店、中島金属箔粉工業(株)、ミクロ商会、(株)村田金箔
ハクおし (箔押し) hot stamping/hot press
熱転写箔を用いた転写印刷の一種。機械と金版により箔に熱と圧力を与えて素材に箔を転写する方法を箔押しと言う。
箔押し機は加圧方法によりアップダウン式、シリンダー式、ロール式があり、簡単な手動式から半自動機、全自動機まである。
又、箔押しの特徴として平面だけでなく、円周、2次、3次曲面にも容易に転写出来ることである。
メーカー・商社 (株)秋本技研、岩井通商(株)、クルツジャパン(株)、妻川機器、千代田マシナリー(株)、(株)ナビタス、日本ボブスト(株)、ハイデルベルクPMT㈱、(株)樋口鉄工所、(株)平和機械
ハクおしき (箔押機) blocking press
金箔や色箔を押圧する機械。自動式と手動式がある。
ハクしたえき (箔下液)
箔を押すとき用いる接着剤。
はくしょくカーボン (白色カーボン)
「感圧カーボン」のこと。→感圧カーボン
はくど (白土) china clay
天然産の白色顔料。成分や性質は産地により不定であるが、主成分はアルミニュームの珪酸塩である。染料の体質、紙の墳料や塗被料などに使用される。
ハクばし (箔箸) bamboo pincette
箔を扱うときに用いる竹製の挟みばし。→竹ばさみ
ハクぼろ (箔雑布)
純金箔に使用したボロは、金の滓を含んでいるので地金屋で換金できる財産であった。
はけ (刷毛) brush
馬毛などで作られ、塗料や糊などを塗る。製本所で使う刷毛は柄(え)は木製で毛先は馬の尻尾のもの。T字型で使う目的によって大きさを選択する。9cm(3寸)・12cm(4寸)18cm(6寸)・24cm(8寸)の4種類。毛先の長さは3~3.5cm。毛肉の厚さや品質は使用目的によって異なり、糊差し刷毛・膠刷毛・ボンド刷毛などがある。他に表具師が表装に使う刷毛、漆工芸に使われる毛質や毛先の幅が短い特殊な刷毛などもある。
はけめ(刷毛目) brush mark
上製本の表紙を手貼りするとき刷毛に含ませた糊量が多いとムラな筋目がつく。染色和紙などの裏側に糊を引いた場合、刷毛目が表側に目立つ。
はこ(函、箱) slip case
本を保護するための紙函。機械函と貼り函がある。機械函はマニラボールや色ボールを生地のまま活版印刷で背文字を印刷したあと、型抜きして組み立て、針金で天地の部分を綴じつける。貼り函はチップボールなどの板紙を型抜きして組み立て、仮貼りした箱に背文字を印刷した和紙や特殊紙などの化粧紙を貼って仕上げる。社史・年史などの類は貼り函が多い。函(箱)の形態には共蓋式箱(被せ蓋式)・サック式函(差し込み式)・蓋付き本函・夫婦箱などがある。差し込み式の物を「函」、共蓋式(重箱型)の物を「箱」と区別して呼称する。
はこあわせ (箱合わせ)
「複写合わせ」のこと。→複写合わせ
はこばり (箱貼り)
厚表紙を貼るとき背文字を透かして貼る方法。箱盤(作業台)の大きさに合わせた擦りガラス板の上で作業する。表紙の背空きに合わせたT字型の貼り定規(貼り板)に左右から板紙をセットし、膠をひいたクロスを板紙の上から合わせて貼る。裏返して背空きの中心に背紙を貼ったあと、四方を折り返して仕上げる。→すかし貼り
はこばん (箱盤)
製本の手作業で使う座り作業台。機械製本が普通になる昭和30年頃までは殆どが箱盤で製本していた。桂木のような堅木で作られ、作業用の小道具類を内部に収納する。
はごろもマーブル (羽衣マーブル) comb marble
マーブル取りの一種。絵の具に黄・赤・青の3色を用い、逆8の字を描いてマーブル液をととのえ、櫛を横に引いて出来上がる。
はしら (柱) headline
書籍や印刷物の余白部分に入る見出し。書名・章名・編名・節見出しなど。袋綴じの和本では、各丁の折り目に、書名・巻数・ページ数などを刷込んだものを柱という。→欄外柱
はずれ
「もぐり」と同じ。
パターソン
明治の初めわが国に洋式製本を伝えた。「雇英人パトルソン(パタースン)をして、製本の技法を伝授せしむ。後年、本邦における洋風製本術は、ほとんど、ことごとく、この人に出ざるはなし」(印刷局五十年略史 大正10年刊)と「東京製本五十年史」に紹介されている。「金子福松と共同製本」には「蛮書調所に居たオランダ人からとも、また印書局(印刷局の前身)外人技師であったパターソンに教えを乞うたともいわれている」とある。(以下「東京製本五十年史」より引用)明治6年5月、カナダ人W・F・パターソンが印書局に製本教師として雇われ、多くの養成工に製本・罫引術を伝授した。パターソンの経歴については、これをつまびらかにしないか、当時の作品を見ると相当高度の技術をもっていたようにおもわれる。パターソンは、明治9年7月まで、印書局(当時は紙幣寮活版局と呼んだ)に勤務したが、在職中に製本の雛形をつくり、製本術伝習の順序を規定するなど、いろいろ功績があったので、解雇に際しては、功労により琥珀織一巻を賜った。パターソンから直後、製本術を伝授された者のうち、名前の判明するのは徳屋敬忠、水野鉄次郎、上原金次郎の三名。水野鉄次郎は、本邦方式帳簿開拓者の一人にかぞえられる。
本の中身の背の丸み出しを行ったのち、中身の背の形を整え耳を出す作業。諸製本(図書館製本)では手機械と耳板で中身を締め、ハンマーで叩いて手工的に行う。耳の大きさは手機械で締めつけてはみ出している長さになる。表紙に使った板紙の厚さを目安にする。一般にはバッキング機を使って機械的に行うが、バッキング機では中身を両側から万力で咬えて強力に締めつけ、上からローラーで圧力を掛けながら半回転させて耳出しする。耳出しの目的は、表紙付けしたあと本の開きをよくするだけでなく、小口が前へ飛び出すのを防ぐ。角背上製本の場合も同様の工程を経て耳出しする。「丸み出しバッキング機」があり、上製本ラインに組み込まれている。
手機械でバッキング板がはさんだ本の中身をまるごと締める。本の耳出しに用いる。耳板、バッケ板ともいう。
バッキングき (バッキング機) backing machine
丸味出しした本の背を叩いて、耳を出す機械。特に図書館製本用のバッキング機は、本の厚みの計測器がつけられているので便利である。
バック back
書冊の背。丸背・角背の区分がある。→背
バックカーボン back carbon
紙葉の裏にあらかじめカーボンを印刷して複写がとれるようにした複写伝票。カーボンの色移りを防ぐ薄用紙(間紙)と下敷きもセットして伝票製本にする。→スポットカーボン
バックゲージ back gauge
断裁機、穴明け機等の機械の奥行き見当のこと。バックゲージに紙を突き当て、刃・針の降りるところを断裁したり穴明けする。手回しハンドルやコンピューターに制御されたモーターで溝をきったシャフトが回転してバックゲージが前後進し、断裁線や穴明け位置に停止する。バックゲージを「突き当て」とも言う。
バックスキン back skin
製本装丁に使われるバックスキンは、子牛革か山羊革を軽石やヤスリなどで丁寧にケバだたせたものが使われる。高級な豪華本の装丁に用いられる。
バックラム buckram
製本の表装に使われるクロスの一種。厚手の綿織物を使用して生地目を多少浮きだたせながら仕上げた。落ちついた感じを表している。
バックルタイプ
→羽根折り
バッケだし (バッケ出し)
丸み出しの英語「バックラウンディング back rounding」か訛ってバッケになった。→バッキング
はっしょく (発色)
ノーカーボン紙に筆記用具を用いて力を加えると、その裏紙に印影が表現することをいう。直射日光に当てたり、衝撃を与えたりしないよう注意が必要である。
はとめ (鳩目) eyelett/eyelett perforation
靴や紙ばさみ等の紐を通す丸い穴。カレンダー・加除式本の表紙・アルバム表紙などの紙工品にも鳩目は多く使われている。またこの小穴に打ちつける環状の金具。穴を明け、鳩目を打ち・鳩目つぶしを同時に行う鳩目打ち機がある。 メーカー (株)二村商会
はとめうち (鳩目打ち)
綴じ込み表紙や紐付きラベルなどのとじ穴を補強するため、鳩の目に似た金具を取り付けること。
はとめうちき (鳩目打機)
鳩目を打ち込む機械。
はとめつぶし (鳩目潰し)
鳩目を止めるため鳩目金具の裏側つぶして菊の花のようにする。
ハトロンし (ハトロン紙) sulphite brown
SPを原料として抄造したかっ色の紙。背貼り又は包装紙に使用される。
上製本 中身の背 上下の両端に貼り付けた飾り布。本を丈夫にするとともに装飾のために行われてきた。現在では形だけ残って本の装飾として、テープ状に組み織りした花布か、染色した布地をテープ状に貼る。→本の部分名
筋車と同形。筋車より大きめ。模様を彫刻した黄銅製の小さな車に柄をつけた製本仕上げ用具。表紙の平の空押し・箔押しなどの手押しに用いる。表紙の裏側 チリの周囲に箔押しする場合などにも用いる。→筋車
はね (羽根) frayed cords
背固めに使う寒冷紗を中身の背幅より大きく切る。背幅より左右に15mmずつ羽根をつけてはみ出した部分。羽根を挟んで表紙と見返しを接着し、中身と表紙との結合を補強する背固め材料である。
ナイフではなく羽根(プレート)とローラーにより折る。折り部装置はユニットシステムであり、必要に応じて増減でき、バリエーションに富んだ折りができる。バリアブルタイプともいう。フィードテーブルから送られてきた刷り本は、A・Bのローラーによって第1折り用プレート中のストッパーに突き当てられる。紙を送り込む力は続いているので、プレートの入口で曲がり(バックル)を生じ、B・Cのローラーに挟み込まれて第1折りを行う。次に第2プレート中に送り込んで、同様にして第2の平行折りを行う。こうして第3、第4と平行折りを行う。必要に応じて転向板でプレート入口をふさぐ(メクラ)こと、転向板により刷り本の方向を90度転向して直角折りを行うこともできる。
バックル折り機は、ドイツ語「Taschen Falzmaschine タッシェン フォルツ マシン」の頭文字をとって「T折り」。スタール折り機は「Tシリーズ」「Kシリーズ」としている。
はねばり (羽根貼り)
帳簿の中身の見返しのヤレ紙ノドに当るところへ、天地は中身より24・くらい短く、幅は45・くらいに切った横目の10号前後のボール(羽根)を貼りつけること。ヤレ紙はむだ紙ともいい、後で破りすてる。
パネロン paneron
不織布をベースにしてクロス加工し製本適性をもたせた。マット調子で新しい感覚に仕上げたクロス。
パピルス papyrus
北東アフリカ・中近東に分布するカヤツリグサ科の多年草。湿地に生え茎の高さは2~2.5mになる。古代エジプトで紀元前3000年頃にパピルスから紙に似たものを作りだした。
はめこみ (嵌めこみ)
中身に表紙を取りつけること。
はもの (端物) job
簡単なパンフレットなど部数の少ないもの等の総称。
ハブ hub/raised band
バンドのこと。→本の部分名
はぶたえ (羽二重)
絹織物。製本装丁には薄手の生地が使われるから、厚めの紙を裏打ちする。
パブリシティ publicity
広告。宣伝活動。
はめもの (端物) job/miscellaneous work
広告チラシや小物の印刷。良い言葉ではないので、使われなくなっている。
パラ
仕上げ断裁のあとに行う検品。断裁してくっついている切り口をパラパラと剥がすように紙をくる。断裁刃の降りた方向とは逆に上に繰り出すようにして、くっつきを剥がす。
はらあわせ (腹合わせ)
2冊(または2駒)の本を、天地はそのままで表1と表1が向かい合うように合わせること。平断裁で複数の本の化粧断ちをする際に、背が高く(綴じ目が厚く)なって正確に断てないときに腹合わせにすると曲がりが防げる。「背合わせ」は背と背を合わせて天地の化粧断ちをすることである。
バラおり (バラ折り)
指定の枚数を一度に二つに折ること。
小口装飾。小口面に霜降り模様を柄がけすること。
バラちょうあい (バラ丁合い)
「ペラ丁合い」のこと。
バラでんぴょう (バラ伝票)
背固めも綴じない。バラのままで完成した伝票。
バラりん (バラ輪) ribbon signature
輪転印刷機による折丁の中には、巻き折りしたときのように袋ができたい8ページ、12ページ等の折丁がある。入紙掛け機械で鞍掛けするとき、オートローダーで折丁を運ぶとき等に中に入っている折丁・ペラ丁がずれたり、こぼれることがあり作業しにくい。
はり (針) pin
(1)side gauge/side mark 枚葉印刷機フィーダー上で紙の横方向を規制するための金具。紙は印刷ユニットに入る前に前当てに当ててから横に引き印刷位置を一定に決める。この針側と咬(くわえ)が断裁の最初の基準になる。引針(ひきばり)は、咬側を手前にして右側。突針(つきばり)は、咬側を手前にして左側。針のことをサイドゲージともいう。(2)pin ミシン糸や糸かがりに使う針もある。糸かがり用には、糸針・突き針・掛け針の3種類がある。
はりあわせ (針合わせ)
複写合わせ。針にさして行う目通しを「はりあわせ」とよんだ。
はりあわせ (貼り合わせ) lining board
(1)貼り合わせ絵本・アルバム製本において、片面印刷の本文紙二つ折りを丁合いしたあと、その順序に従って貼り合わせる。二つ折りの外側は印刷されていないので丁合に細心の注意を払う。(2)紙やボールなどを厚くするために複数枚を貼り合わせること。
はりあわせいたがみ (貼り合わせ板紙) pasted board
2枚以上を貼り合わせて造ったボール紙。
はりがね (針金) wire
針金とじ・中とじに針金を使う。本の厚さ、紙質に応じて針金の番手を選ぶ。BWGゲージ20~28までが製本用。
メーカー 福本(株)、森田総商(株)、山本製綿(株)、(株)米山富次郎商店
はりがねけんちそうち (針金検知装置) wire monitor/stitch inspection system
中とじ機の針金が打たれているか検知する装置。近接スイッチにより行う。綴じられていなければ折丁は排出装置によりリジェクトされる。
はりがねとじ (針金綴じ) wire stitching
針金により折丁やペラ丁を綴じ付けること。針金綴じには、平綴じと中綴じがあるが、「針金とじ」は平とじに限定して言われることが多い。平綴じは丁合いをノド近く側面からとじる。中綴じは、表紙を一番上に、入紙丁合いの背から冊子の真ん中の見開きのページ(一番下になる)へかけて綴じる。紙を綴じた針金が露出するので、伝票やノートは背をマーブル紙やクロスで巻いて針金をかくす。
はりがねとじき (針金綴機) wire stitching machine
1部ずつ手差しで丁合いをステッチャーの受け台に入れて綴じる手動式のもの(もとはケトバシとよばれた)と、丁合機に連結され自動的に針金で綴じる自動式のものがある。綴じヘッドが複数あり1度に2~3ヶ所同時に針金綴じするもの、平とじ・中とじ兼用タイプもある。
メーカー 伊藤ブックマシーン(株)、(株)佐藤機械製作所、(株)丸山製作所、(株)南機械製作所、(株)ホリゾン、(株)芳野マシナリー
ペラ丁や一折りの別丁類を折り本の所定の位置に貼る作業をいう。手作業で糊差しする場合と貼り込み機による場合がある。
はりこみき (張込機) tipping machine
万力型の丁合機に糊付け装置を組み込んで貼り込み機としている。丁合いを取りながら下部のコンベアーの部分にノリ紐によるノリ付け装置によって貼り込み作業を行う。貼り込みできる箇所が限定されるのが普通。
メーカー・商社 (株)共立機械製作所、(株)ケイズ・カンパニー、(株)東京出版機械
はりしろ (針代) folding margin
輪転印刷機の折り装置の、折丁の前端から針穴までの距離。印刷された巻き取り紙は折り装置で折丁がカットされる。カットされても走行中の巻き取り紙は、先端部から回転する折胴の針で固定されて折り装置に誘導され、輪転折りがくりかえされる。針しろの部分は製本仕上げ断ちのさい切り落とされる。輪転印刷した新聞紙・チラシにはこの針穴が残っている。
はりちがい (針違い)
正規の印刷位置(見当)から外れた印刷物。同種の印刷物を印刷する場合には、一般に前当ておよび横針を決め手、周囲の余白の広さを一定にして印刷するが、印刷の途中で前当ての位置が狂ったり、版が動いたり等すると、針違いが出る。「針トビ」ともいう。
はりちがい (貼り違い)
貼り込み位置が指定どおりではないこと。乱丁のうち。
誤りの箇所に、正しく印刷した紙をはって訂正すること。→正誤貼り
はりみかえし (貼り見返し) pasting end-paper
巻頭と巻末それぞれの折丁に、二つ折りした見返し用紙をノドの部分で貼り込む。→見返しごしらえ、巻き見返し、綴じ見返し
本の前小口に小さい紙片などを貼って索引としたもの。
パルプ pulp
紙の原料。植物を機械的あるいは科学的に処理し、繊維間のリグニン、ペクチンなどの物質を砕雑したり溶解したりして、繊維をばらばらにして板状に固めたもので、こんにち紙といえばパルプを連想するほど、製紙原料として有名であり代表的である。
パレタイザー palletizer
化粧断ちしてスタッカーに積まれた出来本や糸かがりした中本、下固めした中本等をパレット上に自動的に振り分けながら積載する機械。荷の寸法、バンドの掛け方、パレットに積んでいく順序、荷の方向等をあらかじめパターンとして記憶させておき、仕事に応じてパターンどおりに荷を積む。 メーカー・商社 (株)エスケイセールス、兼松産業機械(株)
緊張した紙および板紙の表面に垂直方向から圧力を加えて試験紙が破れるときを計る。ミューレン試験器。
(1)貨物の格納・運搬用の荷台。あらゆる産業界で物流に使われている。木製のものとプラスチック製がある。製本業界には製紙メーカーがつくった製紙パレット、印刷会社によるパレット、東日販等の取次パレット等が流通している。10種近いものがある。平成6年頃から「東京都製本工業組合」の名前がはいったパレットがつくられ、取次全店に流通するようになっている。1100×900mmの規格パレットである。(2)本の表紙に溝つけするときに用いる鉄製のこて(鏝)。銀杏(いちょう)葉形をしているので「いちょう」と俗称している。(3)絵を描くときのパレットはpallette
バレン (馬連)
(1)木版刷りのとき、版木に当てた紙の上をこする用具。(2)金箔をおくとき、その飛散を防ぐためパレット(積荷台)に、竹の皮を油でよくこすったものの上に箔を乗せてあかす(おちつかせること)。この竹の皮をバレンという。
はん (版) printing plate
(1)印刷の版。「さっぱん(刷版)」のこと。オフセット印刷ではPS版(アルミが素材)・紙版(軽印刷で使われる)、凸版印刷は感光性樹脂版やフレキソ版(素材はプラスチックやゴム)、グラビア印刷はシリンダーに彫刻版(鉄である)がそれぞれ刷版になる。原稿は撮影してフィルムになり、刷版に焼付け(彫刻も腐食も行われてはいる)、刷版が印刷機に取り付けられて印刷される。長らくこういう工程をたどってきたのだが、デジタル革命により、フィルムを介せず直に刷版を起こす方法・刷版は不要になりコピー機のトナーによる画像形成と同じ方式等々が実用化されようとしている。<版の掛け方>1回に組付けるページ数は、2・4・8・16・32ページなど。本掛け・略掛け・千鳥掛け・巻き取り掛け・袋掛けなどいろいろある。このような版の配列を図示したものが版画組付け表である。活版における版の掛け方だが、オフセットも基本的にはこれと同じである。
(2)出版、版を重ねる等の「版」は、印刷物をつくる意味。第何版というときは、何回、改版したかをあらわす。
はん (判) fomat
(1)紙、本、紙製品などの大きさをいう。A5判、B3判、四六判等の言い方をする。(2)ハンコ(印鑑)を「判」という。
はんが (版画) print
木版、銅版、石版(リトグラフ)による版画がある。印刷が大量の複製を前提にした技術であるのに対し、版画は美術工芸である。
ハンガー
天吊りカレンダーに使用される吊り下げるための棒。綴じる側の中央に30mmほどの径の半円をくり抜き、その両側にリングを通す。本のサイズより短い鉄棒(直径1~1.5mm。メッキまたは樹脂コーティングを施したもの)の中央を半円形に曲げてリングの中に通す。天吊りの棒が短い場合は、本の曲がりを防ぐため30~80mmぐらいの幅の厚ボールを本文と一緒に綴じる場合もある。天吊りの長さが本と同じくらいの場合はこの必要はない。ヨーロッパの機械ではリングと一緒に天吊りを同時に綴じるのが普通である。
はんがた (判型) format
書籍・雑誌・ポスターなど、紙加工品の仕上がり寸法と形態のこと。使用目的に応じて判型が決定される。日本工業規格JISではA列とB列があり、A0・A1・A2・A3・B0・B1・B2・B3について天地・左右の寸法が決められている。
はんぎりがみ (半切紙)
最初は杉原紙を横二つに切ったものをいったが、後になって巻紙のことをいうようになった。
ハングアウトりょう (ハングアウト量)
無線とじ機において、表紙くるみされる前の中身がクランプから下に突き出る量。中本がインフィード部よりクランプに入っていくときに、レベリングプレートの高さを調節することにより、突き出し量を変えて本の背をカットする量を調整する。
バンクし (バンク紙) bank paper
上質で、強じんな薄手筆記用紙。
一連番号を印刷した伝票。
(1)半裁の紙を用いた印刷物。(2)どんでんがけ。→全紙掛け
はんし (半紙)
小形の杉原紙(のべがみ)を半分に切って使用したのでこの名をつけた。縦24~26cm、横32.5~35cmの和紙。半紙は一帖200枚を一束(いっそく)、200束を一〆(ひとしめ)と数える。
はんした (版下) block copy
製版できる状態の完全原稿。フィニッシュワークともいう。
ばんじゃくのり (盤石糊)
小麦粉を使った澱粉糊。たいへん粘りがある。
はんしゃげんこう (反射原稿)
写真の紙焼きや、紙に描かれたイラストなど、反射した光で見られる印刷原稿。→透過原稿
はんしん (版芯)
袋とじ和装本の小口や和罫紙の折り目の細長い部分をいう。
はんそで (半袖)
無双帙の仕立て方の一種。帙の中蓋が半分になっているもの。→無双帙
パンチあな (パンチ穴)
伝票や紙葉をとじるためにあける穴のことで、ふつう穴の中心から中心まで80mmの二つ穴をいう。
帳簿は、製本帳簿からリーフまたはカードへ変わってきた。パンチカード、記録カード、タイムカード等、機械が記入し機械が判読・記録する。紙質はそれぞれの用途に応じた強度と厚みを持つ。パンチカードによる会計システムをイニシャルをとって「PCS」と言う。
はんてん (反転)
ポジフィルムからネガフィルムを、ネガフィルムからポジフィルムを作ること。また、左右逆の状態になった版。
バンド band/raised band
表紙の背にバンドをかけたように隆起した部分をいう。欧米で本来行われてきた製本は、丁合い本の背に綴じ糸を通す穴を目引きしてあけ、綴じ糸を麻紐(コード)にからげて手綴じ(本かがり)していた。コードは中身の背にそって、両端は表紙と見返しにつつまれる。バンドが表紙・見返しと中身を接合したときの芯になり、頑丈な製本になる。その麻紐の隆起した部分をおおった表紙の背をバンド掛けした形に整えた状態を欧米では「ハブ」、わが国では「バンド」と呼んでいる。現在の糸綴じでは綴じ糸が隆起することはないが、表紙制作のさいわざわざその部分に板紙の小片を埋め込んでバンドを作っている。ブックデザインの上でも重要なイメージを特徴ある装飾として巧みに生かしたものである。→本の部分名
バンドソートカード
「ホルソートカード」のこと。
バンドラー bundler/bundling machine
折丁を揃えて積みプレスする。手動式と自動式とがある。手動式のバンドラーは折丁をプレスしたまま紐掛けする。自動式は折り機に内蔵されて自動結束するものと、折り機や輪転印刷機のデリバリー箇所に設置して大量の折丁を高速で自動結束するバンドラーがある。
メーカー・商社 (株)エスケイセールス、(株)正栄機械製作所、ハイデルベルグPMT(株)、富士油圧精機(株)→締取機
はんとりちょう (判取帳)
和本仕立ての一種。金銭または物品の授受の証印を受けておく帳面。→大福帳
バンドルスタッカー stacker bundler
バンドルローダー bundle loader
バンドルスタッカー等によりつくられた折丁結束を背が下、小口が上の状態のまま丁合機に給紙する装置。折丁が傷まないように、結束は前後に当て板を入れて行う。両方から挟むタイプのクランプクレーンによりバンドローダーに結束を載せバンドを切る。折丁はチェーンタイプのコンベアにより丁合機の縦積みホッパーの方へ自動的に送られ給紙される。
はんのかけかた (版の掛け方)
書籍や雑誌などのページものを印刷するときは、活版でもオフセットでも、またグラビアでも、8ページ、16ページ、32ページといったふうに印刷機にのるだけのページ数の版を同時に1台として印刷する。この組付けの方法が版のかけ方である。版のかけ方は、印刷通し数、ページ数、版数、印刷力、印刷機の大きさ、台数、色版や図版などの配置、折り方、製本様式、納期などによってきまる。おもな版のかけ方には、本掛とドンデン(打ち返しとも半裁がけともいう)とがある。
はんふくしゃ (半複写)
長短の紙葉からできている複写伝票。1セットの伝票で寸法の異なる用紙が含まれる設計になっている。
仮とじの小冊子。折丁のまま化粧断ちして完成する綴じていないものもある。「パンフ」と略して一般に通用する。カタログとともに代表的な商業印刷。
ハンマー
「ならし」に使う金槌。
はんれい (凡例) explanatory notes
辞書や地図などにある、用語・略語・記号類などについての説明。→ページネーション
はんレン (半レン) half ream
half reamの訳語。1連の半分。1連は洋紙で1,000枚をいう。