紙加工・製本・印刷・DTPデザイン/編集・オンデマンド印刷@浅草永住町

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ニカワ (膠) animal glue

天然系の接着剤である。温湿度等の環境変化に微妙に反応するため、使いこなすことには、適切な湿度管理と濃度管理をすることが望ましい。
原料は哺乳動物の生皮・乾燥皮・塩漬皮・動物の骨等。これらの皮や骨の中にあるコラーゲンとよばれる蛋白質を加水分解(水煮)して膠は抽出される。膠と同じようなものにゼラチンがあるが、ゼラチンは充分な管理のもとに精製したもの、膠は多少不純物が混じったものと理解されたい。この不純物が接着剤としての効果を助けている。膠のもっている瞬間接着力と性質を維持するため、溶解使用温度は常に60℃~70℃に設定する。背固め機械や表紙貼機などには、溶解補助装置(プリメルター)を設置し溶解温度を一定に保ち糊タンクに自動供給する。 メーカー 新田ゼラチン(株)

にかわつけき (膠付け機) gluing machine

表紙貼りや貼り函などのクロスや印刷紙などに、膠や糊などを塗布する器機。主に手貼り作業に用いる。

ニカワなべ (膠鍋) glue pan/glue pot

nikawanabe.jpg膠を溶解使用するための湯煎鍋(ゆせんなべ)。膠を鍋に入れて直火で煮ると、膠を焦げつかせ組織を破壊するので、膠を入れる中子(なかご glue pan)と、これを湯煎する外子(そとご glue heater)とを組み合わせた特殊の鍋(湯煎)を用いる。銅製。温度の自動調整装置付き。


にげ

(1)断裁した紙積みの切り口(コバ)の下層部が長めにカットされ寸法誤差が生じた現象のこと。「オーバーカット over cut」である。主に硬質紙、硬質板紙等の紙質に発生する。紙さばき、エア抜きを十分に行い、バックゲージとテーブル面の角度・クランプ圧の調整確認して正しい断裁を行う。(2)貼り込み等で紙の端まで揃えないで少し内側に貼ること、紙の端まで糊を引かないことを「にげ」という。

にごり (濁り) muddiness

印刷の色表現をする用語。4色で色を表現するが、メインの色の反対や墨色のインキ量により印刷物の鮮やかさが失われる。彩度が低下することを「にごり」と表現する。鮮やかにする場合は「にごりを取る」。

にじいろがみ (虹色紙) iris paper

数色を染めわけした色紙。

にしきえ (錦絵) brocade print

多色刷りの浮世絵版画のこと。江戸時代の春章・清長・歌麿・写楽・豊国・北斎・広重・国芳などの絵が錦絵として有名。江戸絵・東(あづま)絵ともいう。

ニスびき (ニス引き) varnishing

印刷の表面に光沢を与えるとともに印刷面を保護するために塗膜を形成する加工。つやニスをべた刷りするオーバープリント(オフセットか凸版)とビニール引き(ローラーコートあるいはグラビア印刷機でビニール系樹脂を塗布する)がある。

にちょうがけ (二丁掛け)

「面掛け」と同じ。→面掛け

にちょうゴテ (二丁鏝)

なぎなたの形をしたコテ。手帳の表紙に輪郭の筋入れに用いる。

にちょうせいほん (2丁製本) two-up printed books

二つ面付けされたもの(2丁付け)を1枚の折丁として無線とじ・中とじ等を行い、化粧断ちの段階で二つに断裁して同時に2冊の製本ができる方法。上製本では丁合したあと、いったん断ち割りして一冊ずつ表紙くるみする。手帳製本では、折り・丁合・糸かがり・背固め・見返し貼り・背巻きまでを2丁で製本し、断ち割り機にて断ち割り、2冊の製本ができる。3丁付け、4丁付けしたものは3丁製本、4丁製本ということになる。小サイズの書籍、CDの中とじ豆本、アドレス帳、保険約款等で行われている。断ち割りスプリッター

にちょうづけ (2丁付け)

1枚の折丁に2台分の印刷面があること。1~8ページが2丁、1~8ページと9~16ページが各1丁というような印刷紙である。3丁付け、4丁付けもあり、1枚の折丁に2台分以上あるものを「多丁付け」という。中とじ・無線とじの本、伝票製本、手帳製本等で行われる。

ニッピング cover aligning and pressing

無線とじ機において、表紙を本文に糊付けプレスする際に、背のノドの部分を両脇からプレスする装置。本の仕様により厚みの違うプレスプレートを使う。

ニッパー nipper

(1)総革表紙や背革継ぎ表紙の背にハブ付けするとき、形を整えるために用いる小道具。(2)針金切りのこともいう。

「ドブ」をとるドブ断ちのこと。また精度のきびしいものの化粧断ちを、最初は少々大きめに、2度目に正確な化粧断ちにすることも「二度断ち」という。

にはいちょうあい (二杯丁合い)

丁合のときの用語。一冊分の折丁を1回の丁合で全部まとめることを「一杯丁合」という。台数の多い場合は、2回、3回と分けて丁合をとり、最後にこれを合わせてまとめ、一冊にする。丁合の回数によって、二杯丁合、三杯丁合という。

にほんこうぎょうきかく、JIS (日本工業規格) Japanese Industrial Standard

昭和24年(1949)7月実施の「工業標準化法」に基づき、日本工業標準調査会が調査審議し、通産大臣が制定した。規格統一の目的は、生産・使用・分配の合理化にあって、よい品を安くというのが目標である。許可された品には、「JISマーク」がつく。紙・本・色・接着剤等、製本が扱うほとんどの素材・機械・資材はJISによる規格が定められている。

にゅうか (乳化)

オフセット印刷時に、インキのなかに湿し水が入り込んで乳液状態になること。過剰な乳化は地汚れの原因となる。乳化が少ないとインキが紙に移りにくくなる。

にゅうし (入紙) insert/inset/pre-gathering

二つ折り・三つ折りの折丁を開いて別丁(別刷り)を差し込む作業のこと。糸とじ・中綴じの場合は1枚貼りする。平綴じ・無線綴じの場合は所定の位置に差し込み揃える(投げ込み)だけのことが普通。

にゅうしき (入紙機) inserter

新聞・雑誌等にチラシ等の印刷物を自動的に挿入する装置。負圧エアのかかったサッカーによって開かれた新聞・雑誌等が丁合トラックを搬送チェーンによって移動する間に各丁合台からチラシが入紙される。または各丁合台から給紙され集まったチラシを回転する水車型のインサートドラム内で開かれた新聞・雑誌に入紙するタイプの機械もある。

にゅうしがけ (入紙掛け) saddle gather

中とじ製本における丁合は、本の真ん中のページの台を一番下に、次いでその外側の台、さらにその外側の台と順々に積み重ねるようにしてページ順を揃える。最初のページと最後のページが積み重ねた折丁の一番上になり、さらにその外(上)に表紙がくる。折丁の中に折丁・ペラ丁が入紙されるように丁合をとるので、中とじ製本における丁合は「入紙掛け」と表現される。