スイス ブローシュア swiss brochure
オタバインドに似た無線とじの様式。見開きを良くするために本文に片側のみ横糊を入れて表紙をつないでいる。背加工した丁合本にコールドグルーの背糊と横糊を塗布し、柔軟性に富んだライニングで包む。さらに片側のみにホットメルトの横糊をスプレーにより塗布し表紙を接着する。
すいとりがみ (吸い取り紙) blotting paper
筆記用インキを吸いとるために用いる紙。木綿ボロなどを原料とし、サイズを入れないで抄造する。
スーパーしあげし (スーパー仕上げ紙) super calendered paper
スーパーカレンダーを用いて、強い光沢をつけた紙。略号SC紙
スエードがわ (スエード革)
表皮を擦り減らして柔和に鞣みあげた山羊革。
印刷した背文字を表紙に貼るとき、正しく中心に貼るため、ガラスの下から照明を当てて、透かし見ながら貼る方法。
ずがようし (図画用紙) drawing paper
画を書くとき使われる厚手の紙。表面が固く粗面で、強いサイズを施してある。
すきあわせいたがみ (抄き合わせ板紙) combineation board
2種類以上の紙料を用い、表・裏または表面と中身とを、異なる紙料で抄き合わせた板紙の総称。
スキニング
皮貼りのこと。
スキャナー scanner
文字や写真など画像を画素(細かな区画)に分けて、それぞれの画素の明暗や色の情報を読み取って、デジタル信号に置き換える装置。写真(透過原稿)または彩色したイラスト(反射原稿)を4色に分解し、フィルム出力する。モノクロスキャナーもある。スキャナーに原稿をかけることをスキャニングという。
スキルレス skill-less
スキルは熟練、手練、上手といった意味。レスがついて熟練不要ということ。機械のメカトロ化が進み、機械操作や機械作動の補助等についても習熟が必要なくなってきたばかりでなく、熟練技術が生み出してきた高品質に近いレベルのものまで機械生産できるようになっている。こういう労働環境をスキルレスと表現した。
スクリーンいんさつ (スクリーン印刷) screen process printing
孔版印刷の一種。枠に紗を張り、画線部以外の部分の目を樹脂などで潰したスクリーン版を用いて、版の紗面からスクィージの摺動によってインキを押し出し印刷する方法。タオル・ネッカチーフ・Tシャツ等のプリント、看板やディスプレーの印刷、工芸的な美術印刷、プリント回路や厚膜ICの製造に使われる。
すじいれ、すじつけ、すじおし (筋入れ、筋つけ、筋押し) scoring/creasing
板紙等の厚紙に折り筋を入れること。表紙、箱等の折って開いたり閉じたりする箇所にあらかじめ筋を入れて、開閉しやすくする。「筋車」は表紙の平の見切り等に化粧線を筋付けするのに使う。模様を彫刻した黄銅製の車のついたコテである。「花車」「カラコロ」とも言う。「筋入れげんのう」は本の背の丸みだしや耳の打ち叩く面に数本の筋が入っている。
筋付けも機械化されていて、無線とじ機のカバーフィーダーでは筋付けローラーが表紙を給紙する際に所定位置に筋付けする。表紙貼り機械にも筋付けローラーが設けられている。単体として筋付け機がある。→いちょう、すじつけ
すじいれげんのう (筋入れ玄翁) backing hammer
げんのう。滑らないように、金槌の打ち叩く面に数條の筋が入っている。
厚い紙または「ベタつぶし」の印刷物の折りつけは、紙や印刷インキが割れるので、筋をつけてこれを防ぐ。筋付けには、一本押しと輪転式の二種があり、いずれも、筋の山は曲げたとき、内側になるのが正しい筋の入れ方である。
すじつけき (筋付け機) creasing machine
角箱またはたとう(畳紙)をつくるときに、折り筋をつける機械。
スズはく (錫箔) tin foil
錫を圧延してつくった箔。銀箔の代用として用いる。
スタッカー stacker
集積装置のこと。折丁や出来本がコンベアにより排出されてきたものを堰止めて集積する装置。5冊1駒とか8冊1駒という具合に冊数を数えて集積し、設定した冊数に達すると次行程に1駒分を送りだすカウンタースタッカー(スタックカウンター)や、所定の冊数に達すると切り違えて集積し、やはり設定した駒数を切り違え集積するとスタッカー内から送りだすクロススタッカー(切り違え集積装置)がある。折り機・バインダー・中とじラインの排出部、搬送コンベアの方向転換、三方断裁機・自動包装機械の入り口等に組み込まれる。
輪転機から排出される折丁を圧縮しながら1mほどのハンドルを形成し結束するスタッカー。輪転機の折り部から排出される折丁はヤレが取り除かれた後、さしみにして直接またはキャリアコンベアにてバンドルスタッカーに供給される。突き揃えと折り目がプレスされた後、背から先行してバンドル圧縮部に入り、油圧または空気圧でプレスされて前後に当て板し、内蔵した結束機によりバンドが掛けられ排出される。パレット上に自動的にパレット積みするパレタイザーを装備したタイプもある。
すてがみ (捨て紙)
→帳簿製本
ステッチャー/ステッチング sticher/stiching
針金とじ装置。針金とじを行うこと。平とじ、中とじのいずれにせよ、針金を打ち込む作業がステッチである。針金が必要な長さに切断されたあと、強圧により紙層に打ち込まれ、針金先端が重なっている紙葉を突き抜く。チョウチョが針金先端を受けて折れないように曲げ(直角に近い湾曲)、紙層を綴じる。ホッチキスは商品名だが、ステッチングの仕組みそのものはホッチキスと同じと考えてよい。
すてはけ (捨て刷毛)
→糊入れ
すてもじ (捨て文字)
→背丁
ストリーム stream
英語のストリームは、(川の)流れ、(液体や気体の)一定の流れ、(時とか思想の)流れ、(交通等の)流れの意味。製本ラインを搬送される紙・折丁・出来本が流れていくような姿なのでストリームと表現した。
ストリームカバーフィーダー stream cover feeder
無線とじ機のカバーフィーダーの一様式。平積みのパイルフィーダーに対して縦積みする形。表紙をさしみにして長いテーブルに大量にストックしておいて丁合本をはさんだクランプの回転のタイミングに合わせて給紙する装置。表紙を1枚ずつ分離して取るサッカーのための負圧のエアと、取りやすく表紙をさばくための圧縮エアが必要。
ストリームフィーダー stream feeder
バンドルスタッカー(ジャンボスタッカー)等によって作られた1mほどの折丁の結束を、背が下(小口が上)の状態で載せ、フラットパイル型の丁合機に給紙する装置。結束は前後に当て板を入れて結束バンドにより折丁が傷まないようにする。クランプクレーンによりストリームフィーダーに結束を載せバンドを切る。折丁はチェーンタイプのコンベアにより丁合機の方に自動的に送られ、さしみの状態に変えられ平積みタイプのホッパーに給紙される。
ストンパー、ストンパート stone powder
断裁機の定盤の滑りを良くするために用いられた滑石の粉末。珪酸マグネシウムが成分。ストンパウダーからの転訛。「タルク」も同じ。現在ではシリコンによる滑走剤が使われている。また背固めした本をナイフで剥がしたときの再接着防止のために使われる。
スケッチブック、ノート、カレンダー、ダイヤリー、クッキングブック等々、スパイラルにより綴じる製本方法。まだ欧米ほどにスパイラル製本は採用されていないが、これによる各種出版は急速に増えている。あらかじめ本のノドの部分にドンコ穴等、ワイヤー等のどじ具通す穴をあけ、ワイヤーにより表紙とも綴じる。とじ具はワイヤー(針金を螺旋状にした)、セルロイド(「セル巻き」という。最近は少なくなり、代わって)プラスチック等が使われる。針金は金属を裸で使っているものもあるが、ビニール等で包んだワイヤーが多い。厚紙のカードをとじた本というイメージ等、目先の変わった点が喜ばれて普及してきたが、生産性で他の製本方法にくらべ弱い。また、見開きにすると左右のページがずれてしまう。「螺旋とじ」とよばれてきた。 メーカー・商社 笹岡工業(株)、西山金属(株)、渡辺通商(株)
スパイラルとじき (スパイラル綴機) spiral binding machine
スケッチブック・手帳・紙挾みなどを、鉄線・プラスチック線などで、螺線とじする機械。
スピン spin
→しおり
無線とじラインで使われる2丁製本の断ち割り装置。2丁製本された縦長の一冊の本を円盤状の鋸刃で2冊に切断し分ける。バインダーからいったんホッパーに給紙して、スプリッターで断裁。その後、2本のコンベアラインに分け2台の三方断裁機に送られる。頭合わせの面付け(紐付け)で印刷された2丁本は断裁後、半分の一冊は反転ベルトにより向きをかえて、他の一冊と方向を合わせる。天地針合わせの2丁本はこのような反転処理は必要ない。 メーカー・商社 (株)アイセル、(株)イリス商会
スプリングとじ (スプリング綴じ) spring binding
すべり
「もぐり」のこと。
伝票印刷でバックカーボンを入れるが、複写の必要な限られた部分にカーボン印刷をしたものを「スポットカーボン」という。
すみ (墨) India ink
(1)印刷では黒色のことを通常スミと呼ぶ。特別に刷色指定をしないときは、スミで刷るのが普通。(2)古代中国 殷の時代に膠と油煙を混合して練り固めて墨が作られたいわれている。現在はカーボンブラックでつくる。
すみきり (角切り、隅切り)
記録カード、索引カード等のパンチカードや角丸の書籍等は角切りをしている。角がまくれやすかったり、くっつき、紙の損傷を防ぐ。
すみきりき (角切機)
角切りに使用する機械。→角丸機
「刷了」のこと。
1枚の用紙に何ページ分かの版を刷り合わせ、まだ折りたたまない状態のもの。つまり書籍や雑誌などの、いわゆるページものの場合に印刷された紙そのものをいう。→刷り本
すりぎょう (摺経) printed Buddhist scripture
木版刷りの仏教書。「妙法蓮華経」(1080年)、「成唯識論」(1088年)、「大孔雀明王経」(1091年)などが現存する。
すりたし(刷り足し)
印刷後に良品が所定枚数に不足していることが判明して、これを補うために印刷すること(補刷ほさつ)。
すりだし (刷り出し)
印刷開始から1、2分の間に印刷したもの。同じ印刷機で通して印刷しても、刷り出しと調子が出てからのものではかならずしも均一な刷り上がりではない。
スリッターミシン slitter/perforation
切り取りミシンを入れる方式の一つ。回転する圧胴に円形のミシン刃を圧接し、その間に用紙を1枚ずつ通して切り取りミシンを入れる。ミシン刃を何枚も装着することにより、同時に何本ものミシン目を入れることができる。
スリッターめんのなみじょう (スリッター面の波状)
カッター断裁に取り付けられているスリッター刃のぶれによって紙積みの切り口面に生じる波状の現象。NAG紙に発生しやすい。
「売り上げカード」のこと。
印刷所から入荷してきた、断裁も折りもしていない紙のこと。「刷り本」「印刷紙」ともいう。印刷機からデリバリーされた棒積みのままバンド掛けしてあり、本のタイトル等印刷物のタイトル・枚数・丁合なん台目等を記入した伝票が添付されている。製本所は員数・検品等、受け入れにともなう確認を行う。→刷り紙
すりぶつ (摺佛) stamped Buddha's block
古代版画。阿弥陀(あみだ)や毘沙門天(びしゃもんてん)の像などを刷ったもの。印刷紙は薄紙。仏像の体内に納められている。
すりミシン、いんさつミシン (刷りミシン、印刷ミシン)
印刷の際に切り取りミシンを入れること。活版印刷では組付ける活字よりやや高くなる銅鉄または黄銅製のミシンケイを版に組付ける。組付けた版と紙が直接接触する直刷りなので、これができる。オフセット印刷でもミシン刃・スリッター刃を特別に組付けて、印刷時にミシンを入れることが行われる。「ルーレット式ミシン」は印刷機の圧胴にルーレットを装着してミシンを入れる方法である。ミシン目にインキは付かない。印刷機の胴の回転方向にしかミシンは入れられない。→切り取りミシン
すりヤレ
刷り損じた不良品。
するがばん (駿河版)
徳川家康が1615年(元和1年)、金地院崇伝や林羅山らに命じて駿府で版行した銅活字(そのころ朝鮮から渡米した)による書籍。「大蔵一覧表」「群書治要」がある。
中とじ機械において入紙掛け・カバーフィーダーされて全部のページが揃った丁合本が、ステッチにかけられる前の段階で、折丁・表紙の位置がずれていたり・たれていることはないか検査する機構。センサーで異常をキャッチし、ズレ・タレを検知したときは機械停止するか、または不良本をバイパスに排出する。
メーカー・商社 (株)尾土谷製作所、(株)北電子、(株)三光精機、東京出版機械(株)、(株)ノーム、イリス商会(株)、ミューラーマルティニジャパン(株)
スロットせんこうき (スロット穿孔機)
スロットミシン輪転式歯車のような歯の回転と、下刃リングを使用して点線・・・・・・の小穴を連続的にあける。平盤式切り取りミシン機の場合と違って、細長い穴があく。切り取りミシンの目は刃先の型によって長いものや短いものいろいろの種類がある。<作業の要領>(1)刃の位置を決める。切り取りミシンを入れる位置に下刃を固定し、それに噛み合うように上刃を固定する。セットした本数だけ同時に切り取りミシンをいれることができる。(2)次に案内ゴムローラーを固定する。上下の案内ゴムローラーはずれないように正しく重なっていなければ紙が真直ぐに通らない。また切り取りミシンの本数が多いときには必要に応じてゴムローラーを増やす。(3)サイドゲージを調整する。(4)送り込みローラーを点検する。(5)紙を置き紙を指す。→切り取りミシン
すんどう (寸動) inching
機械を調整するときのこきざみな作動。紙の移動と作動する加工ステーションの同期同調を一致させるために間欠・低速運転する。
すんのび・すんづまり (寸伸び・寸詰まり)
仕上がりが規格寸法より大きい場合を「寸伸び」、小さい場合は「寸詰まり」。→変形判
すんぽうぎり (寸法切り)
あらかじめ決めた寸法に順に切る断裁の方法。