紙加工・製本・印刷・DTPデザイン/編集・オンデマンド印刷@浅草永住町

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マージナルゾーン marginal zone

凸版印刷・箔押しした画線の縁に生じるくまどり。版と紙の接する画線部分の外側にインキが押し出されるために生じる現象。

マージナルパンチ、マージナルパンチあな(マージナルパンチ孔)

連続伝票用紙は紙送りのために両側に2分の1インチ間隔で4mm孔があけられている。

マーブル marbled

書籍や帳簿などの小口面を墨流しや大理石の肌目の柄(紋様)などで装飾すること。帳簿では改竄防止のためにも行われる。枚葉紙にマーブル取りしたり印刷してテーブルにしたものもある。発祥は諸説あり、(1)中国の墨流しがインド、ペルシア、トルコを経てヨーロッパに伝わり、18、19世紀に最盛期を迎えた、(2)17世紀にオランダで生まれ、玩具の包装紙としてイギリスに渡り装幀等に使用され、ヨーロッパに逆輸入された。我が国にはパターソンにより伝えられたとも、明治元年ドイツ人により大阪に伝えられたともいう。液面の波紋をすくいとって紙に定着させるので、その紋様は偶然の所産によることろが多いが、職人芸はあらかじめその柄の概略を頭の中に描けるようである。模様により、くじゃく、トルコ、フランス、ドイツ、アメリカ、イタリア、雲などの名がある。「墨流し」ともいう。この作業を「マーブルとり」「マーブルつけ」という。

マーブルし、マーブルテープ (マーブル紙)

マーブルどりした紙。マーブル模様を印刷した紙(テープ)もある。書籍、帳簿、伝票等の見返しや背巻きなどに使用する。「サラサ紙」ともいう。 メーカー (株)比花

マーブルせまきはりき (マーブル背巻貼機)

マーブル紙を貼り、背巻する機械。

マーブルどり (マーブル取り) marbling

コンニャク粉かフノリをゼリー状にした液を「バット(舟ともいう。浅い方形の水槽。片側に廃液を捨てる仕切りを設ける)」に満たして、牛胆を加えた絵の具を筆から垂らして浮遊させる。マーブル専用の櫛で8の字を描くように絵の具をゆっくりと流動させて模様を作る。液界面に軽く小口面を押しつけたり、紙をかぶせて静かに模様を写しとる。水洗いしてゼリーを流し去ると、描いた模様だけが小口面に残る。自然乾燥してマーブル取りは完成する。明礬水を刷毛で小口面を引いてから転写すると付きが良い。

マーブルまき (マーブル巻き) stripping

伝票、便箋、メモ帳等の背巻き。マーブル巻き機があり、針金とじ等で下固めした一冊分を機械内に送るとマーブルテープ(マーブル紙、マーブルクロス)が背をくるみ、必要な長さでカットされる。→背巻き

マイコン(マイクロコンピューター) micro computer

コンピューターの機能のうち、少なくともCPU(中央処理装置)の機能を一つのLSIにまとめたものをマイクロコンピューターという。マイコンにはパソコン等に使われている汎用のもの以外に、機器に組み込まれて制御を行うためにつくられた制御用のマイコンもある。一般に制御用のマイコンは、一度に処理できるデータ線幅は小さいが、CPU機能以外に入出力装置の機能の一部や、記憶装置等も一つのLSIに内蔵したものがある。

まいようし (枚葉紙) sheet/flat sheet/flat

ひらばん(平判)にして巻いていない紙。1枚、2枚と数えることができる状態なので「枚葉」という。ロール紙を断裁してつくる。枚葉紙を刷る印刷機械は枚葉印刷機、ひらだい(平台)とも言う。凸版・オフセット・グラビア・スクリーン等の各印刷方式がある。

まいようちょうあいき(枚葉丁合機)

立型丁合機ペラ丁合機

マウント mount

(1)絵や写真、保存するポジフィルムなどの台紙や枠。また、ポスターや写真などを台紙に貼り付けて固定すること。(2)書籍の背に筋状に盛り上がった「バンド」。

まえこぐち (前小口) fore-edge/front

仕上げ断ちした本の綴じ目と反対側の切り口。単に「小口」という。→本の部分名

片面のみ印刷して、片面は白のまま残しているもの。「おもて白」「裏白」も同じ。

まえづけ (前付け) front matterr

書物の本文より前に付け加えた部分。扉・口絵・献辞・序文・凡例・目次など。

まえとびら (前扉)

本の標題だけを印刷した書籍の扉。いちばん初めにくるタイトルを印刷したものは本扉という。

まえバッケ(前バッケ)

丸味出しが悪いために丸みが小口へはみ出した状態。「逆バッケ」も丸み出しが不良。

貼り込み。折丁の若いページの側に貼り込むこと。「後ろ貼り」はノンブルの多い側のページに貼り込むことである。

まき (巻) volume

「かん」ともいう。昔は書籍の形が巻き物であったことがあるので、巻が用いられた。その慣習から現在でも冊数を巻数ともいい、また「上巻」(じょうかん)、「下巻」(げかん)などという言葉が使われている。

まきおり (巻き折り) parallel fold

紙折り。回し折りしないで、長手の方向に二つ折りし、さらに同じ方向に2回以上折って折丁を作ること。「平行折り」ともいう。巻き折りは、商業印刷物(カタログ・パンフレット等)や雑誌、横罫のある手帳や極薄葉紙の製本等に多用される。経本折り・観音折りは巻き折り(平行折り)による特徴的な紙折り。

まきおりがけ (巻き折り掛け)

巻き折りを前提とした印刷の面付け。

まきぐせ (巻き癖)

紙などを巻いたときにできるくせ。

まきとりし (巻き取り紙) web/web paper/roll paper

巻き取りしたロールになった紙。輪転印刷機(ウェブ)にセットして印刷する。枚葉紙に対していう。

長尺の巻き取りになった箔。巻き取り箔、ロール箔ともいう。

まきびょうし (巻き表紙)

「くるみ表紙」のこと。

巻頭・巻末の折丁に二つ折りした見返しを貼り込み、布テープで背巻きする見返しの作り方。(1)二つ折りした見返しの背に和紙などを用いて背巻きして巻頭と巻末のそれぞれの折丁を貼り込む。(2)巻頭と巻末のそれぞれの折丁に二つ折りした見返しを貼り込み、その上から布や和紙などを背巻きする。(1)(2)とも以後は貼り見返しと同じ方法で仕上げる。そのまま本文1折、最終折を糸とじする。

まきもの (巻物) scroll

図書のもっとも古い形態の一つ。(1)書画などを横に長く表装した絵巻物(軸装)。(2)書写・印刷した紙を横長につなぎ、末尾に巻き軸を付け、巻頭にも軸を付けてその中央部に紐をつける。巻きおさめるときに紐で締め結ぶようにした。当初は百万塔陀羅尼のお経(巻子本)のように軸がなく、横長の紙を巻くだけのものであったらしい。時代の変遷とともに作り方も贅沢になり、平安朝末期(1167年)につくられた平家納経は、華麗荘厳の巻子本として有名。→巻子本

まくら (枕) guard

本文台紙に別刷りした絵画等を額貼りした場合や折り込み図表の多い場合は、背の部分の束厚を小口と等しくするため、ノドぎわに10mm程度の厚紙をマクラに貼り込む。アルバム・切手帳・スクラップブック・建築図面などの製本に行われる。

まさがみ (柾紙)

繊維の長い丈夫な紙。「地まさ紙」ともいう。

ましずり (増刷)

ぞうさつのこと。部数がたりなくて同一の版を使い、追いかけ刷りをすること。

ましちょう (増し丁)

「取り増し」「増丁」のこと。2枚差し等、多く給紙してしまう丁合ミス。→増・落丁検知装置

マシンコートし (マシンコート紙) machine-coated paper

抄紙機の乾燥部の中間に塗被装置を設けた特殊の抄紙機で製造された、アート紙に似た紙。MCまたはCPと呼ばれている。網版印刷物用である。

マシンしあげし (マシン仕上げ紙) mashine-finished paper

抄紙機(注1)に直結したカレンダー(注2)だけでつやつけした紙。ふつうの印刷用紙の大部分はこれに属し、略してMFという。
(注1)紙を抄造する機械。チップや故紙などドロドロになった原料から、白い紙になって出てくる。
(注2)出来立ての表面がザラザラしている紙を大きなローラーの間を通すことによって、表面を平にして、つやを出し、紙の厚さを一定にする。このローラーの部分をカレンダーという。

ますがたぼん (桝型本)

正方形または正方形に近い形の本。横が縦の4分の3以上のもの。「角形本」ともいう。幼児用絵本には、さらに三方をカーブのある曲線に打ち抜き、本は四角いものという伝統的なイメージにとらわれない、面白い形のものもつくられている。

マスキング masking

カラー印刷の製版で、色分解を行うときに色調や階調を修整・補正すること。ポジマスク、ネガマスク、カメラバックなど。

マスク mask

写真原稿や製版用の原板に、エアブラシなどで修整するときに、不要な部分を覆うためのフィルムや紙。また、必要な部分だけを露光し、不要な部分を切り抜くこと。抜き版。

マッキントッシュ Macintosh

米国アップルコンピュータ社製のパーソナル・コンピューター。GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)、デスクトップ表示、WYSIWYGなどの特徴があり、デザイナーはじめ、画像処理に関わる業務で多く利用されている。「マック」と愛称される。

マットアートし (マットアート紙) mat art paper

つや消しのアート紙。

まどばり (窓貼り) window

封筒に内容物を封入しても宛て名等が見えるように封筒に窓をつくること。セロハン紙やアセテートなどの透明なフィルムなどを内面に部分的に貼るか、窓の箇所にラミネートして透明にする。

マニラ manila

マニラ紙やマニラボール(板紙)などを総称していう。木材パルプにマニラ麻を加えたものを原料とした紙だが、最近では化学製品を使って、本来のものと変わらない強い紙ができている。

まめほん (豆本) miniature book

きわめて小型の本で、手の平(掌)にはいるくらいのもの。以前は美濃紙の半紙の八つ切りを標準としていた。また「半紙本の半分の大きさ、またはそれ以下の大きさの本」という説明もある。芥子本(けしぼん)とも言う。量産しているものではCDや化粧品等の商品に添付する解説書、保険等の約款、児童誌の付録等、中とじ多丁製本がある。世界最小の豆本は1.4mm×1.4mm、20ページの『蟻の本』。凸版印刷㈱が昭和55年に制作した工芸品である。逆に最大の本は京都の和本師が和紙でつくった畳一畳の大きさのもの。一番厚い本は故鈴木俊一氏(東京都文京区の(株)鈴木製本所)が平成3年に小学生のクレヨン画を一冊にまとめた画集(厚さ80cm)である。

まるおり (丸折り)

山折り

まるかわ (完皮) perfect skin

なめし(鞣)皮をへぎ皮にしないで、表皮の吟をつけたまま1枚の革として加工したもの。→へぎ皮

中身の背に丸みをつける加工法の一種。本の背に丸みをつける目的は、本の形が崩れない、本の開きを良くする。中身が小口側にせり出す「逆バッケ」を防ぐため等。

折丁や糸かがりした本の背を叩いて落ちつかせる(均し)ための木槌。本綴じに使われる麻の繊維を叩いて軟らかくするためにも使われる。

丸表紙ををつかった製本のこと。

まるちつ (丸ちつ)

ちつの仕立て様式の一つ。

1枚の表装材料を使って芯紙(板紙)に貼って仕立てた表紙。貼りの種類に総革・総布クロス・総紙クロス・総布地・印刷表紙などがある。まる装丁ともいう。→丸装丁継ぎ表紙

まるぶち (丸縁)

三方とも化粧裁ちしない状態。

まるほん (丸本)

全部揃った書物のこと。とくに浄瑠璃本(じょうるりぼん)の種類の一つ。また全部を1冊にまとめた版本。院本、正本ともいう。

まるみ (丸み)

全紙判の四方の角はまるみ、あるいは波状にカッターされ直角がでてこないことがある。製紙・印刷業界が白紙についてこう言う。

まるみだし (丸味だし) rounding

<丸み出しの目的>台数の多い厚い糸かがり本は、背に丸みをつけないで平らにすると糸が本の背中で一直線に並び、背と小口のツカ寸法が極端にかわり、いびつな形になってしまう。背を丸くすることにより、背中と小口のツカを同じに近づけることができる。見開きもよくなり、厚い本としての体裁も丸背の方がなじめる。
<丸み出しの手順>(1)三方仕上げ断ちした中身をパラ検査して折れ込みや汚れなどを検出する。(2)1冊ずつ天地にクラフト紙または輪ゴムなどで帯掛けする。(3)帯掛けした複数の本を揃えて重ね積み、水を含ませた刷毛で本の背を塗らして仮固めのとき塗布した接着剤を軟らかくする。(4)本を裏返して前小口を軽く作業台に付き当て両手で本を抑える。(5)親指を本の中央部に当て、束の厚みの65%~70%程の部分を摘んでせり上げるようにして、そのまま手前に返して押しぎみに力を入れて手前に引く。(6)同時に親指以外の両手の8本の指で見返しを押さえる。左手はそのままにして右手にコツ(堅木の板)を持ち、背の部分を天地にこするようにして丸みの癖をつける。(7)本をもう一度裏返し、束の60%程度をつまみ上げながら、前と同じ方法で反対側に同じ曲線の丸みを出す。(8)丸み出しで最も注意すべきは、小口側の曲線の傾斜角度を15゚を目途の肉厚とすること。この肉厚が薄く貧弱な形のもの(つまり「ゾベリ」)は、バッキング機で耳出ししても耳の形を整えることができない。いずれ背割れの前兆であるひび割れになったり、巻頭の一折り部分の接着層が剥がれ易くなり背割れする。
<適当な丸み>は数値等では示されていないが、目安として何通りかの丸みぐあいが行われている。一つは、ツカの厚さを一辺とする正方形の外接円。その外接円の円弧がその本に適した丸みであるとする(図A)。もう一つの有力な考えは、ツカの厚さを一辺とする正三角形の外接円の丸みが適当(図B)というもの。このほかにもいろいろの考えがあるが、いずれにせよ厳密な、唯一の正解というものはありえない。出版社・担当者・装丁作家・著者等、注文主側の考えや、製本所の技術・経験によって「適当な丸み」は決められている。「丸み」は「半径・・・・・・mの円周」として高速道路等では示されているので、それにならって図Aと図Bの丸みを一応、数値化しておく。

まるみだしき (丸味出し機) rounding machine

丸味出しを行う機械。

まるみだしバッキングき (丸味出しバッキング機) rounding and backing machine

下固め機で固化した本の背をヒーターで軟化させておいて、丸みだし・バッキングを行う。1対の回転するローラーの間に本を挟んで締め、外側に向かって回転させながら丸みを出し、次のバッキング装置で山をたたき耳を出す。あらかじめレベラーと受けレールで、本の背部の中心部分に圧をかけて丸みの芯を出すための形をつける。2本の絞りローラーで挟み込み、相互の回転ローラーを回転させながら丸みの形を整えるとともに丸みの深さを決める。丸み出し機ともいう。

山ノートの一種。

まわしいつつぎり (回し五つ切り)

全紙から四六判・B判を五つ、切り出す全紙断ちの方法。

まわしおり (回し折り) right-angle fold/cross fold

折り方の一つ。最初の折り目に対して次の2折り目を直角にする。3折り目を2折り目の直角にし、順次 右回りに折り進む。

まわしぎり (回し切り)

端物印刷物や本を化粧裁ちするとき、各小口を順にまわしながら断裁すること。

まわし11ぎりけしょう (回し11切り化粧)

B判または四六判全紙からA4判(寸延び)を11枚断つ方法。

まわしずり (回し刷り) work and twist

1枚の刷版に同じ原稿が四つ面付けされ、1枚の全紙に4面印刷する。これを廻し切りすれば同一の印刷物が4枚得られる。

まんなかはり (真中貼り)

宣伝用のサンプル品を刷本に貼ること。欧米では一般に行われている。最近はわが国でも印刷された折丁の真ん中に広告用のサンプルを貼りこむ本が出始めている。DM、中とじ雑誌等に行われ、機械化もされている。