紙加工・製本・印刷・DTPデザイン/編集・オンデマンド印刷@浅草永住町

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エアテーブル air table

テーブルに小さい穴が多数あいている作業用テーブル。それぞれの穴にはボールがスプリングにより固定され、はめこまれている。本や紙の重みによってボールが下へ押されると圧搾エアが吹き出し、紙とテーブル表面の間に空気の層ができ紙積み等の移動が楽にできる。エアテーブルとして単独で使われるもの、断裁機定盤のようにエアテーブルが機械に組み込まれているものがある。

エアぬき (エア抜き) squeeze

断裁を正確に行うためには、印刷機からデリバリーされたままの棒積みでは、紙の揃いは不十分。このため製本所では断裁にかかる前に紙積みを付き揃え機で揃える。揃いをよくするため紙葉の間に空気(エア)を入れ、1枚ずつの紙が自由に動いて揃っていく。揃え終わると紙葉間にはいりこんでいるエアを抜く。エアが残っていると断裁が正確にできないからである。またエアを抜いて紙と紙のくっつきをよくすることで、揃った紙積みが崩れなくなる。エア抜きは、紙積みの一端を固定して手でしごくか、付き揃え機に付設されているエア抜きローラーの作動により行われる。

エアブラッシ airbrush

airbrush.jpg絵の具を霧状にして吹き付け、霧滴によって濃淡の調子を描き出す。本の小口染に使われる。また写真原稿の修正(背景を消したり、調子を整えたりする)・グラデーションの網版作成・イラストレーション等に使用される。

えいいんぼん (影印本)

原本(底本)から写真製版法でコロタイプあるいはオフセット印刷した極めて精巧な複写本。画面表示の文字は、本来はドットで表すため滑らかさに欠けるが、ATMプログラムとATM専用のフォントを使用することで、鮮明なアウトラインフォントにすることができる。また、ポストスクリプトではないプリンターに搭載することで、鮮明な文字が印字できる。

A/Dへんかん (A/D変換、A/Dコンバータ) analogue to digital conversion

アナログ信号で作られたデータを、デジタル信号のデータに変換する装置。通常のビデオテープやカセットテープに録った画像や音声などを、コンピュータで処理する際には、もとのアナログ原稿をデジタルデータに変換する、その装置。

エーばん (A判、A列) The A series

日本工業規格(JIS)で決められた用紙の寸法。A0からA12まであり、A0は841mm×1,189mmで、A全判ともいう。A1はその1/2、順に半分の大きさになる。

ABばん(AB判)

週刊誌などに多い書籍の大きさ。210mm×257mm。

エー・ピー AP

ソーダパルプ(alkali pulp)の略。薬品にアルカリを使用してつくった化学処理パルプ。

Aれつほんばん (A列本判) standard size of series

わが国の標準原紙寸法の一つで、625×880mmの寸法である。紙の加工仕上げ寸法にA列とB列があり、A1判(594×841mm)に仕上げ断ちしろを加えたものがA列本判である。

えげだい (絵外題)

草双紙の外題には文字(書名)だけでなく絵を描いたものもあり「絵外題」という。

えこぐち (絵小口) picture edge

本の小口装飾の一種。前小口をよく磨き、小口を斜めに固定して模様などを画き、金泥などで装飾する。本をとじると絵は圧縮され、開くと正常の絵が現われる。

エス・シー SC

スーパー仕上げ紙の略。

エスジーエルエム (SGLM) Standard Generalized Markup Language

CALS規格の、ドキュメントデータベースを構築するための記述言語。ISO 8879に制定されている。

エス・シー・ピー SCP

セミケミカルパルプ(semichemical pulp)の略。チップを軽く蒸煮した後、若干の薬品を入れ、機械的にセンイの結合を分離して仕上げる。

エスピー (SP) sales promation

セールス・プロモーションの略。販売促進。新聞の折り込み広告や、ダイレクトメール、店頭のPOPなど。

エス・ピー SP

サンファイトパルプ(sulphite pulp)の略。亜硫酸塩を使用して科学的処理によってつくったパルプ。

エス・ロール S roll

サルファイトロール(sulphite roll)の略。片つやのロール紙で包装紙に用いる。

エナメルはく (エナメル箔) enameled foil

蒸着箔が普及して生産されなくなった。安値な箔押しに利用されていた。

エヌシーアールちょうひょう (NCR帳票) National Cash Register form

ノーカーボン紙を用いて、1枚または複数枚の複写が感圧記録法にて得られる帳票。一般にはカーボンを用いて同一複写を得ていたが、手や衣服が汚れる欠点があった。ノーカーボン紙は1954年にNCR社から市場に送り出されたことでこの名前が付けられた。

本の小口が折り込まれて、裁ち残った部分。折れこんだまま仕上げした。折れこんだ箇所を開くとエビスさまの頭巾に似た形なので付けた名称。

工場内自動化。製本機械の自動化ライン化が進み、今後は工場内外の紙の移動(物流)が大きなテーマになる。製本所の中でも、パレット積みした印刷紙や出来本、折丁結束等紙を大きなブロックにまとめたまま移動するが、紙ブロックは大きくて重いため、フォークリフトやコンベア、クレーン等により物流の機械化・自動化が進められている。工場外との接点になる荷受け・出荷についてもFAのテーマになっている。

えほんようノリいれちょうあいき (絵本用糊入丁合機)

貼り合わせ絵本の丁合に用いる機械。万力によりくわえられた4ページ折りが、糊ローラーの間を通過して糊付けされ、順次にチェーンに正確に送り込まれる貼り合わせ機械である。

エマルジョン emulsion

エマルジョンとは乳濁液のことで、樹脂が水の中に均一に分散した状態の物である。樹脂の種類は何種類かあるが、製本所では『コールドグルー』として、ポリ酢酸ビニールエマルジョンとEVAエマルジョンが上製本・伝票製本で多く使われている。ポリ酢酸ビニールエマルジョンは、乳白色の水性接着剤。乾燥した皮膜は無色透明で、皮膜の柔らかさは可塑剤の量で自由にコントロールできる。接着速度を大幅に短縮する試みが行われている。EVAエマルジョンは、エチレンと酢酸ビニールを共重合させたエマルジョン。乾燥皮膜は柔軟であり、皮膜形成温度も低い。接着速度が速く接着範囲も広い。

エム・エフ MF

マシン仕上げ紙の略。

エムアイシーアールひょう、ミクロひょう (MICR票、ミクロ票)

文字・記号等を磁気的に判読してコンピューターに入力するための帳票。

エムばん (M判)

板紙のサイズ。73×100cm。三四判。

エルばん (L判)

板紙のサイズ。80×110cm。四六判。

エンドリーフ end leaf

二つ折りされた見返し紙のうち、表紙裏に貼り付けられた紙。見返しの遊びでない方の紙。→遊び紙

えんばん (鉛版)

複版の一種で、紙型を用いて鋳込まれる。簡単に、しかも安くできる版として多用されている。平台用には平鉛版、輪転用には丸型の鋳型にて使用される。一種の鉛版にて多数の印刷を行うときには耐刷力をもたせるために各種のメッキがほどこされる。

エンボスかこう (エンボス加工) embossing

紙を雄型と雌型の間にはさみ、加圧して文字や絵柄を浮き出させる加工。雄型には腐食あるいは機械で彫られた金属製の型が用いられ、雄型には、紙型・プラスチック型・石膏等が使われる。雌型を加熱して行うエンボス加工をホットエンボッシングという。エンボス加工を行う機械としては、専用機、打ち抜き機、箔押し機、凸版印刷機がある。打ち抜き機を用いる場合、抜き型に雌(凹)型、面板に雄(凸)型を取り付けることにより打ち抜きと同時に加工を行うことができる。また箔押し機を用いる場合は、ホットエンボスあるいは箔押しと同時にエンボスが可能となる。

エンボスし (エンボス紙)

浮き出し、型押しなどの模様をつけた紙。

えんぽん (円本)

大正15年(1926)11月に定価一円を売りものにして大量生産した予約出版の叢書(そうしょ)類。とくに改造社『現代日本文学全集』(全25巻、各500ページ~600ページ)は、20万部出版した。他の大型出版も相次ぎ、「円本」という名が広まって昭和5年(1930)ごろまで続いた。