アートカンバス art canvas
太めの糸で固く織って着色した布クロス。丈夫だが箔押しに多少の難点はある。箔押し金版(凸版)の字面を深めに彫ることによって、マージナルゾーンに余分な箔付きを避ける。
アートカンブリック art cambric
布クロス。細布の感触、ソフト感を味わえる、マット調で渋みがある、裏面に極薄手の紙を裏打ちしバリッとした腰がある等の特徴を持つ。
コロタイプの別名、ゼラチンを版画とする写真印刷法。
アートディレクター art director
出版・広告等の企画・広告・製作・進行管理の全般にわたって監督する立場の人。各種作業を統合して原稿を作り、一つの印刷表現にまとめる。
アートし(紙) art paper
表面に白い光沢をつけた紙で、なめらかな感触と重量感がある。写真や絵画などの網版印刷の用紙として好適。
アートベラム art vellum
薄手の生地の布クロス。生地目を強調せず、平滑で艶がある。水分に微妙に反応するので、貼り上がった表紙も表側にカールする危険性がある。使用する膠は柔軟剤を加えた品質のものを選ぶ。表紙が乾燥したあと多少の柔軟性が残る方が表紙の反りを自然に矯正する。
アートポスト art post
厚手のアート紙で、私製ハガキ、絵ハガキなどに用いる。
アイエスビーエヌ (ISBN) International Standard Book Number
「国際標準図書番号」が正式名称。市販する書籍・雑誌にコード番号をつけて流通の合理化をはかる。番号は10桁からなっている。国籍コード(日本は「4」)、出版社コード、分類コード、製品コードが含まれている。コンピューターが読み取って、その本がどの出版社から出版されたどのような本かなどがわかるようになっている。一定のルールに従って本に印刷する。わが国では昭和57年(1982)7月から使用を始めた。(社)日本書籍出版協会と(社)日本出版取次協会が決めた統一コードはISBNによっている。
あいがみ (合紙) slip sheet
(1)印刷用語では、印刷したインキの生かわきのために生ずる裏移りを防ぐために、印刷ずみの紙の間に入れる紙。(2)製本用語では、見返し紙に和紙を使ってノリ入れをした場合、見返し紙の間が密着しないために入れる紙。
→間紙
和本の場合、紙を真半分に裁ち切ること。
あいくち (合い口)
複写伝票で1セット数枚の印刷位置が、正確に合っている状態をいう。紙の伸縮、印刷技術の結果、各紙葉の印刷位置に誤差を生じた場合、合い口が悪いという。
印刷・製本のさいに印刷紙や刷り本の間にいれる紙。紙を入れる作業を「間紙入れ」という。
- (1)印刷からデリバリーされる棒積みの際に、100枚単位、1000枚単位等、区切りのいいところで入れられる。
- (2)印刷のさい裏移りや汚れを防ぐため印刷済みの紙葉の間に一通しごとに入れる紙。
- (3)印刷インキが十分乾燥しないうちに製本作業を進める場合に間にはさむ紙。
- (4)金券、限定本等の刷本を受け入れるさい員数機で刷本の枚数を確認する。員数機が一定枚数ごとに間紙を入れる。
- (5)面付けの多い印刷物を断裁するさい、全判のうちに員数を行い、一定枚数(一般に100枚)の区切りごとに間紙を入れる。小断ち後に員数を省くためである。
- (6)カレンダー等のリング製本では、本文は四方化粧断ちしてから穴明けやリング通し等の工程を行うが、そのとき一冊ずつ取りやすいように丁合の際に後ろに色紙を入れて目安とする。
(1)~(6)の間紙は製本途中で不要になるが、完成本の中に間紙が生かされるものもある。
- (7)見返しに和紙を用いている場合の「あそび紙」も一種の間紙である。
- (8)ブロックメモの製本では一定枚数の白紙・刷本の間に色紙等、調子の異なる紙が間紙として入れられる。間紙が一冊ずつのブロックメモの表紙になる。
なお、「あいし」は合紙とも間紙とも書かれるが、「合紙」は「ごうし」とも読め、意味が異なってくるので、ここでは「間紙」に揃えた。
アイシーカード (ICカード) integrated cercuit card
銀行カード等のプラスチックカードに、IC(集積回路)チップを内蔵したカードの総称。通常6個もしくは8個の電気的な外部接続端子をカード表面にもつ。外部接続端子を持たず、電磁誘導や光学系を利用して信号の電送を行う非接触型もある。演算・処理機能をもつマイクロコンピューター部と、データを記憶するメモリー部で構成される。カード自身が判断機能を有するので磁気カードにくらべてセキュリティ性(データの機密保護性)が高く、データ記憶容量も大きいことから、金融・流通・医療・教育など多くの分野で利用される。
アイソタイプ isotype
絵文字記号。視覚言語。交通標識や公共施設の表示、あるいは注意を喚起する「われもの注意」「水濡れ厳禁」など一目でわかるようなマーク。
あいだがみ
金箔、銀箔を箔押しするとき、箔の間にはさむ紙。
→あい切り
あいばん (あい判)
→異形版
アイボリー ivory paper
硬質半透明の上質紙を貼り合わせた厚めな紙。白色とクリーム色とがある。製紙のとき、蜜鑞(みつろう)を塗布したローラーの間を通して光沢をつけたもの。清麗強靱で耐久性があるので、カード、名刺、メニュー、招待状などに用いる。
アイボリーそうてい (アイボリー装丁) ivory binding
古写本。11~12世紀の宗教書に多い装丁。中身は子牛のはらご(胎児)の皮をなめして作ったベラムに文字や絵が手書きされている。表紙の象牙の板に、宝石をちりばめたものもある。
アイレットは「小さい孔」の意味。「ループ」「ループとじ」ともいう。カレンダーやパンフレットを中とじ製本によりつくるさい、中とじの針金が本の背に露出する直線部分crownを凸字形(あるいは半円のループ状)にして壁掛け用のフックにする。フックになる部分も中とじの針金により製本のさいに一緒に成形でき、壁掛けカレンダーが手離れよくつくれる。パンフレット等の小冊子はループとじすると、ファイルするさいパンチ穴をあけなくても済む。
あえんとつばん(亜鉛凸版)zinc etching
亜鉛版を硝酸で腐食して版面を形成した活版用の刷版。版厚は通常1.0~1.3mmが印刷用。製本の箔押しに用いる凸版は1.5~3.0mmと深めに製版したものを用いる。
接着部に着色して、種類を判別できるように仕上げた伝票。色糊、色天、青天、背固めともいう。→色糊、色天、背固め
あおやき (青焼)
フィルム製版されたもので青写真をとり、印刷物の校正に使う。その青写真のこと。
あかじ (赤字) proofreader's marks
(1)印刷物の校正刷りに書き込んだ訂正文字や校正記号。一般に赤鉛筆など、赤色で書き込むので赤字という。
(2)赤字を加えた校正刷りそのものをいう。
あかす
薄い和紙の上に、金箔を付着させることをいう。これはバレン(竹の皮)を少量の油で湿した綿でよくこすったものを使い、油を、薄い和紙にこれを付着させて金箔の上に乗せて、箔の飛散やヒラヒラするのを落ち着かせる。
あかほん (赤本)
(1)江戸時代に刊行された本で草双紙の一つ。形は半紙半裁、一冊五丁。赤色の表紙。桃太郎、猿蟹合戦等のおとぎ話を題材とし、絵を主とした子供向きのもの。
(2)赤色を主とした極彩色の表紙の少年向き講談本。
(3)俗受けをねらった低級な安い本。
あがり(上がり) Wrong book
(1)折丁を開いてクラ(鞍)に乗せるとき、突き当てに正しく揃えないと綴じ上がった折丁が不揃いになる状態をいう。
(2)印刷紙を断裁する前に突き揃えする時、針と咬えが揃っていない状態。
(3)化粧断ちの後、罫下に袋が残り断ち残りのある状態をいう。「もぐり」ともいう。
あき (空き)
書籍などの文字・絵等の印刷面(版面)とじ目の間にあるノドの部分の余白、あるいは刷り本の天地、左右の余白の部分をいう。→のどあき
あき (開き)
本を開閉するときの開き具合。
あげしごと (上げ仕事)
一定の時間に仕上げる仕事。
あげじまい (上げ仕舞い)
一定の仕事が終了した時を期して、仕事を打ち切って終業とすること。
あげばり (上げ貼り)
無線とじに使う見返しを本文に貼り込む際、あらかじめ背のカットする部分を3mm程度逃がして貼ることをいう。同様に見通し図面等を一枚貼りする場合、ノド際2.5mmくらいずらして貼ることをいう。
アコーディオン・フォールド accordion fold
経本折、ジグザグ折りの英語。
あさ (麻) hemp
大麻(たいま)、苧麻(からむし)、黄麻(おおま)、亜麻(あま)、マニラ麻などの総称。平織りし高級布地として表紙材料に用いられる。
あさのはとじ (麻の葉綴じ)
和本のとじ方の一種。基本の四つ目綴じに麻の葉模様をデザインした。→亀甲とじ、高貴とじ、唐本、大和とじ
「とじしろ」とするために、図版、別丁などに継ぎたしたぶぶんをいう。丈夫な紙や裏打ち寒冷紗をテープ状に切って「足」として用いる。南京表紙や切り付け表紙(背クロス巻き製本)など、針金とじのとじしろに継ぎ足した部分は「足継ぎ」「足貼り」と呼ばれている。別丁足つぎ、見返し足つぎ、表紙足継ぎ等がある。
図版などの別丁、南京様式の表紙、切り付け表紙などのとじしろとして、足を継ぎたす作業。別丁足つぎ、見返し足つぎ、表紙足つぎなどと呼ぶ。足貼り。→足
あしばり (足貼り)
→足
アジロせいほん/アジロとじ/アジロおり (アジロ製本/アジロとじ/アジロ折り) notch binding/burst binding
無線とじが中身の背を削り落とし糊を塗布するのに対し、アジロとじの場合は折り工程で折丁の背の部分にスリッターで切れ目を入れておき、中身の背を切り落とさずに糊を塗布する。糊ローラーで接着剤(ホットメルトが普通)を塗布し、背の部分のアジロ穴に接着剤を浸透させ、折本の中身の1枚ずつが接着されることにより、綴じたものと同様の効果がでるようにする。接着剤はアジロ穴に塗りこまれるだけでなく、中身の背の面、全面に塗布され、ホットメルトのオープンタイム(接着力のある時間帯)中に、中身をくるむように供給され、表紙と結合する。
アジロとじの本は、無線とじの本に比較して、開きが柔軟性に富み、ノドいっぱいまで見開きができて糸かがり本と同様の効果がある。またミーリング工程、背加工工程を省略できるのも利点である。無線とじとほぼ同様の作業工程で、無線とじ機械(バインダー)により行われる。
<アジロ折り>
(1)折りの工程で本文背側の中心にスリットまたはスロット形状の切れ目を入れて折る。
(2)折機には円形のスリッターナイフの刃型を1度折り目のローラー部位(8ページ折り)か、2度折り目(16ページ折り)に取り付ける。接着剤の浸透し易いようにカットする長さは15mm、アンカット5mmの間隔幅を持った刃型で折る。枚葉印刷機による印刷紙にはアジロ刃をつけた折り機を使用する。輪転印刷機によるものはアジロの折丁になっていることが多い。
(3)この穿孔により、折丁の袋の部分にエアが溜まらないので、折丁を結束したときの荷姿は正立方体にきっちり整い、丁合機は折丁を取りやすい。アジロ折りは、折り直しが利かないので、折りによるヤレは、注意深く作業して最小限に止めなければならない。
(4)アジロ折り可能は折丁は8ページ・16ページ・12ページ・薄紙32ページの各折り。巻き折り仕様の平行折りはアジロ折りは出来ない。
印刷されていない白紙ページが、本の中身の前後に入っているとき、これを「あそび紙」という。本文共紙(同質の紙)がほとんど。中身の体裁を整えるための紙。「見返しの遊び」とは別。
あたま (頭) head
本や印刷物の中身の上部「天」の部分を頭という。本文が右開きの場合は折りの切り口の方を天、折りの袋になる部分を「地」または「罫下(けした closed head)」といい、左開き(横組み)の場合は反対に折りの袋部分が天、切り口の方が地となる。小口三方とは、天地小口の仕上げ断ちした部分をいい、この仕上げ断ちされた三方のうち上部の切り口が「天」「頭」である。
あたまはり (頭貼り) head pasting
左開きの本の折丁の天の部分を目安にして揃えて貼ることをいう。
(1)文庫本の天アンカット製本のように、天の部分を化粧断ちしないものは「頭合わせ(紙合わせ)折り」する。(2)印刷では、各ページの上部「頭」を向き合わせて版を組付けること。一般には左開きの本の場合に行う。
アタリ
文字・イラスト・写真などの印刷する位置を示すもので、実際には印刷しないこと。「アタリ罫」はアタリを示す罫のことで、版下には付いているが、実際には印刷されない。また断裁する時の仕上がり寸法を示すときにも使われる。
あつがみ (厚紙) card board, carton
厚さ0.15mm~0.23mmで腰が強い。筆記、印刷のできる比較的上質の厚紙をいい、粗質で紙箱などを作るのに用いられるものを板紙という。アイボリー・プリストル等の厚紙がある。
あつさ (厚さ、紙の厚さ) thickness/caliper
紙を直径14.5mmの円盤の間にはさみ、0.55±0.55kgf/cm2の圧力下に置いた時の厚さ。50mm×50mm以上の試験片を10枚以上用意し、それぞれ2カ所の厚さを紙用マイクロメーターを用いて1/1000mm単位で測定する。
あつさ (熱さ) heat grade thickness/caliper
製本で熱(温度設定)が問われるのはつぎのような箇所。
(1)ホットメルト型接着剤の溶解使用温度(180℃)、
(2)波製の表紙くるみしたあと、熱盤に火力を使って100℃以上に熱してくるんだ本の背に当て圧着させる焼き付け、
(3)箔押し機のチェースに熱を加えた温度(120℃)、
(4)膠の溶解使用温度(60℃)など。
あっさくならしき (圧搾均し機) nipping & smashing machine
糸とじ後に、とじ糸で背が高くなっている部分を圧搾して均整にする機械。ギヤ締め、油圧締めがある。圧搾機、均し機。
あつひょうし (厚表紙) stiff cover
上製本の表紙は、芯ボールの厚さにより厚表紙と薄表紙に区別される。厚表紙は、芯に板紙などの厚紙を用い、その上に革やクロス・布地・印刷紙などの表装材料を貼ったものをいう。仕立て方によって「まる(完)表紙」「継ぎ表紙」「面取り表紙」「角革(コーネル)表紙」等がある。
→薄表紙
あつみけんちそうち (厚み検知装置) caliiper/miss and double detector/book thicness detector
増丁、落丁を防ぐために丁合機の各ステーションには「厚み検知装置」が取り付けられている。フィーダーボックスからグリッパーで引き出された折丁は、この装置により厚みが計測され記憶される。記憶しているデータと異なる2枚取り(増丁)や空取り(落丁)をした場合に、丁合機は自動的に停止しオペレーターに異常を知らせる。
ページ数の多い書籍やノートブック等、束の厚いもの。通常は束の厚さが3cm以上の本をいう。→薄物
あていた (当て板) pressing board
ふつう締め板ともいう。本の仕上げの途中で、中身をしめるとき、その上下に当てる木板。厚みは約3cmで、硬質材でつくる。
あてがみ (当て紙) protect paper
折り本や輪転折りなどの結束時に、汚れを防ぐため上下に当てる損紙。また書籍や事務用品などの完成品を包装して紐で結ぶ時に使う紙。厚いボール・ベニア板・プラスチック板等の板状のもので当て紙にすることもあり、この場合は紙面の汚れを防ぐとともに表紙や紙積みの角に結束紐がくいこんで破損したり紙離れを悪く(紙のくっつき)したりすることのないようにするためである。
あてないんさつきかい (宛て名印刷機械) address printing machine
郵便はがき・封筒・帯封などの宛て名を印刷する機械。謄写印刷方式、ゴム印装置、宛て名を凸刻した金属片や活字組版による日付・番号印刷等がある。ワープロやパソコン、インキジェットによる可変印刷システムが近年急速に普及している。
コンピュータ利用による宛て名作成方式。従来は、送り先の宛て名をあらかじめ印字した宛て名カードを発送の都度、荷に貼ったり下げ札したり、あるいはスタンピングしていたが、1960年代に入り自動結束機や自動包装機等の開発改良とともにコンピューターによる宛て名印刷システムが開発された。この方式は宛て名に必要なすべての情報(販売店名・駅名などの固定情報と日付・部数・トラックナンバーの可変情報)を磁気テープに収め、このテープから静電印刷やインキミスト方式によって宛て名やバーコードを印刷する。また宛て名カードをシール印刷しておき、製本を封入した封筒に宛て名シールを貼る方式もある。通信販売が普及して「セレクティブ・バインディング」等、製本ラインに宛て名印刷システムが組み込まれるケースも多くなった。
あとがき (後書き) afterwords
著者が本の最後に書き込む感想文など。後書きのない本もある。丁合のとき、最終台にはいっていることが多い。
書籍、雑誌類の本文のあとにつける印刷物。図表、奥付け、広告などをいう。付き物、前付け。
穿孔(せんこう・さんこう)。製本加工における穴開けは、穴の利用のしかたにより大きさ・形状がいろいろある。穴の開け方はさまざまでドンコ穴・ドリル穿孔等がある。ルーズリーフ等バインダーに綴じ込むためのドンコ穴は、綴じ金具に合わせて成形した雄刃・雌刃の抜き型で小穴多数を同時に穿孔する。1回に明けられる厚さは1mmくらいまで。ドリル穿孔は1穴~5穴を厚さ5cm程度まで穿孔する。ドリル針は定盤上の紙層を最下の紙まで抜くように回転しながら穿孔し、穿孔カスは針の中空にたまったものが外に落とされる。ドリル針の数により1連式、2連式と表現されている。多数の穴を明けるときは、4連式・5連式のドリルにより穿孔・紙送り、穿孔・紙送り、を繰り返して行う。紙送り・位置決めを自動で行う機種もある。また中とじライン、無線とじラインに穿孔機をインライン化して行う製本所もある。三方断裁機に連結した穿孔装置もある。巻き取り紙を印刷加工するビジネスフォームでは、穴のピッチと同じ間隔でならんだ円筒状の切り刃をもつパンチングロールを用いる。なお、切り取りミシンは穴の目的・形・あけ方がちがっていて、「穴あけ(穿孔)」とは区別している。
ルーズリーフ、カード、パンフレットなどにとじ込み用の小穴をあける機械。穴の大きさまたは形状はさまざまあるが、牡型、牝型の刀によって穿孔するもので、手引式、足踏式、動力式など種類が多い。
アプリケーションソフト application software
コンピュータに特定の作業をさせるためのソフトウェア。DTP関連では文書作成ソフト(Microsoft Office wordなど)やイラスト作成ソフト(イラストレーター/アドビなど)、画像処理ソフト(フォトショップ/アドビなど)などパッケージ化されたものが多数ある。
刷本・折丁が注文または納入すべき数量より多いもの。印刷から製本完了まで、紙は工程を経るごとにヤレ(損紙)を出し枚数は減っていく。印刷における刷出し(本刷りまで調子が整わない)、パレット積みした刷本の一番上の紙・一番下になった紙、断裁・付き揃えの時のモグリ等のヤレ、折り機における折り損じ等は、そのあと生かして再使用のきかない損紙にはる。これに対し丁合ミス等は組み直すことで生かせるので必要な部数ができあがるまでは、きちんと保管されていなければならない。全部の作業が終わった後、なお納入すべき部数以上のものが残れば、その余ったものが余り丁である。金券、限定出版等は、余り丁もヤレも発注主のもとに納められなければならない。なお、紙折り・丁合・折り等、製本中間工程の専門業者は、ヤレになってしまったもののほかは、すべて元請けの製本所に引き取ってもらうこと。余り丁の枚数も正確に把握できれば最善である。そのあとの不測の事態にそなえるとともに、もともと入荷している刷本は、注文部数より多めになっているはずだからである。
あみだおり (阿弥陀折り)
巻き折りの一種で、一方を逆折りしたもの。
あみてん (網点) dot
ドットともいう。印刷は、網目スクリーンを通してできる小さな点の集まりで色の階調、濃淡を表現するが、この点を網点という。一定の濃度を表す網部分を平アミという。ベタ印刷以外を「アミがけする」などという。
紙や本を仕上げ裁ちしたとき、庖丁の研ぎ方が悪かったり、刀こぼれなどがあると、切り口に雨が降った(雨あし)ような筋状の刃跡が残る。硬度が高い刃、固い紙質ほど刃こぼれを起こしやすいく、アメの原因になる。
あめふり (雨降り)
→あめ
→大裁ち
→大裁ち
あらわけ (荒分け)
背固めがすんだ本を、運びやすいように大きく分割すること。
アルミニュームはく (アルミニューム箔) aluminium foil
アルミ箔は厚み0.2mm以下の薄膜。純度99.3%以上、厚さ7~50μm以下(JIS H4160)。製本用の箔は、アルミニウムを延ばして箔に仕上げた。
アルミはく (アルミ箔)
アルミニューム箔の略語。
2枚以上の異質の板紙を合わせたもの。
あわせちょうあい (合わせ丁合い)
1回の丁合では1冊分にまとめきれない台数の多い本の場合、2回から3回に分けて丁合いする。分けて丁合いしたものを、1冊にまとめる丁合を「合わせ丁合い」という。機械丁合でも合わせ丁合できる。丁合機を2台並列し、同時に稼働させコンベヤーをY字形に合流させて揃え、1冊に合冊する。
アンカット uncut edge
本の中身の1方ないし3方を化粧裁ちしないまま仕上げる製本の一様式。仕上がり後の本の体裁を整えるため、折りが揃うようにあらかじめ版の掛け方(印刷)、製本の断ち割り寸法や折り方など、いわゆる紙見当折りできるようにする。天の一方向だけをアンカットにして残す文庫本は、あらかじめ栞紐が付けられていて天を切ることができないためであるが、同時に天が不揃いの方が好ましいという出版社の考え方もある。
アンコいり (アンコ入り) padded case
アンチークそうてい (アンチーク装丁) antique binding
表紙の表面装飾に空押しだけで、金箔などを使わない装丁本のこと。
あんぜんカバー (安全カバー) guard cover
動力チェーン走行部分、ドラム回転部分、クランプ回転部分等、人為的に危険な機械の箇所を覆う安全のための保護カバー。開閉式の安全カバーについては通常電気的にインターロックし、機械稼働中に開けると機械が停止するように設計されている。
あんぜんそうち (安全装置) safety guard
労働安全衛生規則により動力によって作動する機械には、すべて安全装置を取り付けることが義務付けられている。各機械に取り付けてある緊急停止ボタン(赤色)や断裁機の光電管自動停止案全装置などがある。「安全カバー」は欧米の安全規格による。